1998年に放送され絶大な支持を受けたSFハードボイルドアニメーション。2071年、ワープ航法が実用化されている時代の太陽系を舞台に、無法者や犯罪者を追うカウボーイ=賞金稼ぎコンビのスパイクとジェット、女賞金稼ぎフェイ、天才少女ハッカーのエド、そして犬のアイン、宇宙船ビバップ号で行動を共にする彼ら一行の活躍を描く。
各話ごとに彼らが追う賞金首たちのドラマを中心に1話完結で展開しつつ、全体を通してはそれぞれの背景に迫る物語が進行、軽いコメディタッチからシリアスまで、幅広くも統一感のある引き締まった出来となっている。また、TVシリーズ全26話のほか、22話と23話の間に位置する内容の劇場用長編が放送後に製作されており、あえて後日談にしなかったところにクリエイターの潔さを感じさせる。(田中 元)
色褪せぬ傑作
★★★★★
「アステロイド・ブルース」
8年前初めてこの第一話を観た時の衝撃は忘れられない。
一話目から死を宣告され、敵に遅れをとり、塩をおくられる、イケメン主人公。
ラスト、宇宙に鮮血の花を咲かせた、美女の、全てを受け入れているような深い瞳。
料理をする強面大男が漂わせる、圧倒的な哀愁。
印象的なシーンをあげればきりがない。
ブルージーで、ファンキーで、セクシー。
ここにビバップの全てがあるように思われます。
「野良犬のストラット」
犬を登場させるためにのみあるストーリーと思われます。
犬が仲間に加わる、犬の顔見せ、それだけの話。
「ホンキィ・トンク・ウィメン」
こちらは、フェイを登場させるためのみにあるストーリーとゆうわけではなく
スパイクとジェットのブルーズが全開に表現されています。
彼等は賞金稼ぎでありながら、どこか金に執着しないところがある。
彼等は、金との付き合い方を良く知っているようだ。
貧乏して、腹をすかせようとも、金に執着しない。
それは、彼らは、我々のように金に目を眩ませた人間には知りえないことを
悟っているからに違いないのだ。
アニメ史に残る傑作シリーズの幕開け
★★★★★
冒頭はシリアスで静かなオルゴール、オープニングは洒落たパワフルなジャズ、そしてコミカルで気の抜けたハーモニカで始まり、もうここでこのアニメがジャンル多彩な音楽とストーリーに溢れていることが分かると思います。まぁ、ハードボイルドな1話目を見た後に、ガラッとコミカルになる2話目を見れば、バラエティーの豊かさに驚き、一気にハマッてしまうでしょう。人間くさい個性的なキャラクターと完璧な声優さんの声、演出力の高さも素晴らしいです。一度は見ないと絶対に損です!
優等生アニメ
★★★★☆
全てにおいて平均点を超えており、総合的なレベルはかなり高い作品なのは間違いないです
ただ、渋めな世界を必要以上に意識して作りすぎたせいでしょうか、作品自体に安定感が漂いすぎて、いまいち盛り上がりに欠ける仕上がりなのが残念です
次世代アニメの基準
★★★★★
おそらく、次世代のアニメの基準になった作品だと思います。これからの製作者サイドから見れば「こんだけの作品を越えるのか…」という気持ちかもしれません。
ビバップはむしろ奇跡に近い作品だと思います。映像、脚本、音楽のすべてがそれぞれを引き立たせていると言うか…
この作品を世間は受け取ろうとしなかった。世間ではジブリのような「幻想」しか受け取ろうとしないからだ。そういう意味ではまさに「大人のアニメ」と呼べる。
上質ではあるが・・・
★★★☆☆
初めて、BEBOPを見たときは、この作品に引き込まれて
映像や音楽のカッコ良さや美しさに夢中になりもしました。
が、年を重ねるにつれ、BEBOPの世界観や人間描写をより客観的に
見るようになり、これも一つの形の在り方ではあるなと。
自分の中では、
ハイクオリティ≠面白い作品≠心に響く(残る)作品
という法則がこのBEBOPで確立できました。
否定はしませんが、人生のバイブルには成り得ない作品です。
ですが、主人公スパイクの個性・世界観・ジャズ風音楽、
少しクセがあり人を選ぶかもしれませんが、経験するのも悪くないです。