1939年、交通事故で恋人ヘレンが植物人間になってしまったことを悲しむあまり、ダニエルは当時軍が極秘で開発していた人間冷凍装置の実験台として志願し、長い眠りにつく。そして53年後に目覚めた彼は、ヘレンがまだ生きていることを知らされた…。
   ロマンティックだがコミカルな一面も潜ませたラブ・ファンタジー映画。「結婚しよう」の一言を言いたいがために、急速に老いていきながらも時を超えての愛を貫こうとするメル・ギブソンの姿がいじましい。ジェリー・ゴールドスミスの流麗な音楽が秀逸で、ふたりの恋の行方を美しく彩るとともに、時としてユーモアなど滑りがちなスティーブ・マイナー監督の演出を大きく助けてくれている。ヒロインのイザベル・グラッサーが、30年代アメリカ女性の雰囲気をよくかもし出しているのがいい。（的田也寸志）