「殴ったね…2度もぶった…親父にもぶたれたことないのにっ!」。25年以上前に生まれた頂点。もはや日本中の誰もがこの作品の偉大さについては納得せずにはいられないんじゃないだろうか。大量殺戮のあとの疲弊した戦場で少年少女たちが、現実の圧力に。その圧力の前にねじれ、ゆがみ、ときに正されていく。「カイさん大人なんですね。だったら人を不愉快にさせないでください!」「悔しいけど、僕は男なんだな」「私の弟、諸君らの愛してくれたガルマは死んだ!……なぜだ!?」「坊やだからさ」。皮肉、達観、覚悟。ああ、名言100連発。声に出して読みたい日本語。あらゆるシーンが胸にしみこんでくる。これはもはや基礎教養、常識、ルールのひとつ。誰もが学び、活用し、乗り越えなければいけない歴史の通過点なのだ。(志田英邦)
惚れた弱みで買いました
★★★★★
確かに高い。LDも買ったのに(DVDなどに録画して売ってしまった)、この価格はキツイ。それでも、買うことにした。惚れた弱みだ。
ストーリーについて、今更あれこれいうことではないだろう。
私が感じた魅力を二つ。
一つ目は、アムロという設定。ニュータイプということではなく、あの性格。それに、母との関係もだが、特に父との関係。
もう一つは、「戦争」が描かれたこと。実際に毎回描かれたのは、戦闘シーンだが、物語全体では「戦争」を表現している。
劇場版は完成された感じがするが、細かいエピソードが抜け落ち、戦闘シーンの比重が増し、「戦争」から少し遠くなってしまっている。また、大好きな「いまはおやすみ」もTV版のみで流れる。
肝心の映像に関して・・・
★★★☆☆
作品の内容に関しては言うまでもありませんが、肝心の映像があまり綺麗ではありませんでした。フィルムの保存状態が劣悪だったのでしょうか?全体的にざらついた画質で、映像のいたるところに浮遊しているゴミや傷みたいなものを発見することができます。一応HDリマスターを謳っていますが、非常に残念な画質であるとしか言いようがありません。ただし、HDMIケーブルで視聴すれば、ざらついた画質はかなり改善されるみたいですが、それでも同年代の作品である「ダイターン3」や「ザンボット3」のDVD(両作品とも非HDリマスター)の方が、明らかに画質は綺麗な気がします。あと、定価高すぎです。自分は半額以下で買いましたけど。
最も有名なロボットもの。ファーストは「シャアの復讐劇」。この一言に尽きる。
★★★★★
ガンダムでまともに観たのはファーストだけなんですけれど、なんだかんだと言っても後々のロボットアニメに与えた影響は絶大。
ストーリー的にはファーストは「シャアの復讐劇」に尽きると思う。
父「ダイクン」を政敵・ザビ家に殺され迫害されたカリスマの忘れ形見。
従順という名の仮面に隠された素顔はザビ一族の謀殺を目論む策士・・・・・・。
しかも決して「己の策に溺れぬ慎重さと狡猾さとを併せ持つ。」
戦場を駆け抜ける「赤い彗星」にある者は畏怖し、ある者は憧れにも似た念を抱き、またある者は彼の神話を形成するための生け贄となった。
亡き母の面影を持つ女性・ララァと出会いながらも、奇しくも彼と同じ感情をララァに寄せるライヴァル・アムロとの戦いの末に彼女はシャアを庇って戦場に散った。
ライヴァル・アムロとの決着も妹・セイラの仲裁により付ける事は叶わず、最早シャアに残されたのはザビ家の血統を絶つことだけだった。
戦艦・ザンジバルと共に敗戦が濃厚な要塞を脱出しようとする「ザビ家の死に損ない」に世話になったことの敬礼と共に引導を渡す。
「ガルマ、姉上と一緒に天国で仲良く暮らすといい!」
かつて自分が謀殺した「死の直前まで自分を信じ切っていたお坊ちゃん」に対するせめてもの彼なりの「侘び」のつもりだったのか?
アムロ以上に作品を牽引したのは「敵にしても味方にしてもその心を窺い知る事が出来ない赤い彗星の孤独」にあったのだ。
カリスマは死なず。後の世にても騒乱の引き鉄となる。
画質が悪いです
★★☆☆☆
電波状態が良い放送番組をVHSで3倍録画したかのような、残念な画質です。
古典なのに面白いんじゃない、古典だからこそ面白いんだ!
★★★★★
古典アニメの名作とか言ったところで所詮は二十年も三十年も昔の作品……と期待せずに見始めたらこれがもうほんとに凄い。
劇場版三部作もたしかによかった。「ガンダム・ジ・オリジン」のソフィスティケイトされつつ迫力ある画力だって圧倒的だ。
だけどアニメ版のガンダム、これはほんとに何人も到達し得ないよさがあります。
30分アニメという特性上の視聴者の興味を惹きつつ次回に繋げる物語の精巧な作り方、ほんと当時のスタッフの熱みたいなものが窺い知れます。
だれもが知る名台詞の応酬も圧巻ですが、台詞ひとつにしても、細かいシチュエーションや演出の違いでニュアンスがかなり変わってくるんで、油断は禁物。
いろいろ端折られてる劇場版やオリジンでは得られない、アニメ版でしか感じられない感慨があります!
そして古典アニメとは思えぬ圧倒的な完成度と娯楽性…見せ方とか演出とか巧いよねえ。限られた予算と人員だからこそ、創意工夫があるというか。
ビートルズが1960年代の未発達なレコーディング・スタジオで、いろいろ実験的な録り方をして面白い効果を生み出してたけど、そういうのに通じる面白さがあると思う。
古典なのに面白いっていうより、古典だからこそ面白いっていうか。
あと、カイさんがいちばんカッコいいのは、やっぱりアニメ版なんでね。そこも重要です。
ロボット・アニメは玩具を売るためのCMのようなもの、だなんて揶揄される。
だけどねえ、出てくるロボットの玩具を買いたいって思わせられないようなアニメなんて、結局二流三流じゃあないだろうか?