まほろさんが時折見せるその哀しそうな表情。
その奥に覗いているまほろさんの気持ちを察していた優。
優のその一言で、自分が守っていたものが崩れ落ちて、記念写真を撮るカメラを買いにいった優の後姿を見て、「行かないで・・・」とつぶやく。
帰ってきた優に思わず抱きついてしまうまほろさん。
「すいません、取り乱してしまって・・・」
抱き返す優。
自分ち知らない間に優のことを想うようになってしまっていたまほろさん。
怖いんだろう、とても不安で、とても寂しいんだろう。
自分でも自分の感情を把握しきれなくなり、制御できなくなってしまったまほろさん。
取り乱して優に抱きつく。
本当はもっと幸せになりたい。分かれるなんていやだ、できれば、ずっと優と一緒にいたい・・・
大きな運命の流れに流され、お互いを引き裂くその流れに覚悟をしながらも、心の底では一緒にいたいと願う・・・
まほろさんは優のもとに現れ、そして去ってゆく。
「・・・・・・出会いもせず、触れ合いもしなかった方が、私たちにとっては幸せだったのではないでしょうか・・・・・・」
「完璧な『心』の持ち主」であるはずのまほろさんが、「悩み苦しまなくてもすての正しい答えを知っている。」はずのまほろさんが、自分の運命に悩み、苦しんでいる・・・
「私たちは機械でしかないのでしょうか?」
そんなはずはない、現に「心」を持っているまほろさんはすでに機械やアンドロイドといった存在を超越した存在。
そう、まほろさんはアンドロイドだったとしても、人間である・・・
心を持ち、悩み、苦しむ人間である。