覚えていてほしい、サブとジョンのこと
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盲導犬のお話としては、サーブやベルナのことがよく知られていると思いますが、 このお話に出てくるサブとジョンのことも多くの人に知ってもらいたいし、忘れてはならないと思いました。 サブとジョンとは、まだ「盲導犬」という言葉さえなかった昭和27年から昭和40年まで、 目の見えない和尚さんの道案内をした親子の犬のことです。 今の「ほんものの」盲導犬訓練士さんが見たら驚くような、 和尚さんとその息子さんによる簡単な訓練しか受けていない、普通の柴犬のサブでしたが、 雨の日も風の日も和尚さんと一緒に檀家さんのお家へお参りしました。 そのようすは、ほほえましくもあり、たくましくもありました。 そして、サブは病気の身体を押して、動けなくなるその日まで和尚さんのお供をしました。 そしてサブが死んだあと、サブの娘犬のジョンは、自分から進んで和尚さんのお供をしたのです。 ジョンはサブのような訓練をしていませんでしたが、おおらかな性格でのみこみもはやく、 すぐにちゃんと道案内が出来るようになりました。 そして数年たったある日、ジョンは、和尚さんの身代わりとなって、自動車にはねられて死んでしまったのです・・・ 兵庫県にあるお寺には今、二匹の顕彰碑が建てられています。そこに刻まれた言葉にも涙を誘われます。