Riverdance: Best of [DVD] [Import]
価格: ¥2,616
『リバーダンス』におけるマイケル・フラットレーのパフォーマンスが、一部のみとはいえ、初めてDVDで見られる――それが本作『The Best of Riverdance』の売りのひとつだ。10年もの間、会場に詰めかけた観客とPBSの視聴者の心を奪い続けている話題のアイリッシュ・ダンス・ショーをこの1枚で俯瞰(ふかん)できる。1994年のユーロビジョン・ソング・コンテストで披露された7分間のパフォーマンスは、その後、独立した長時間のステージ・ショーに拡大していった。本作は、『リバーダンス』の歴史のハイライトをつづった作品であり、主に3つのソースからの抜粋で構成されている。3つのソースとは、まず、1995年にテレビ放送されたオリジナルのショー。主演は華麗なる超絶タップの名手フラットレーとパートナーのジーン・バトラーだ。次に、1997年のニューヨーク公演を収録した『Riverdance: Live From New York』。ここでは、コリン・ダンがバトラーの相手役を務めている。最後は、2003年のジュネーブ公演を収めた『Live From Geneva』。主演はブレンダン・デ・ガレとジョアンナ・ドイルだ。ショーの要素や膨大な人数の出演者たちは年月とともに移り変わっているので、どのパフォーマンスにも個性がある。本作の特徴は、1つの曲の中で複数のステージの断片を織り交ぜるという珍しい見せ方をしているところ。たとえば、「Riverdance」では3つのステージ、3組の主演ダンサーが入れ替わり立ち替わり現れる。「Lift the Wings」は、最初の2ヴァースがオンヤ・イー・ヘイヤリーの独唱で、その後はニューヨーク公演とジュネーブ公演の合唱へと途切れることなくつながっていく。この独唱は、後年のバージョンにおける最大の損失のひとつだっただけに、部分的にではあれDVDに収録されたのは喜ばしい。同様に、フラットレーによる全長版『リバーダンス』がまだDVD化されていないので、本作で少なくとも数曲ぶんを見られるのはファンにとって嬉しい点だろう。後年のバージョンで収録されている曲は、ほかにも「American Wake」と「Trading Taps」がある。DVDのメニュー画面には、どんな顔ぶれや顔合わせによるパフォーマンスなのかが分かりやすく表示されている。
2時間近い本作で目新しいのは、ジーン・バトラーによる特別に加えられたイントロダクションだ。これによって、いくつかの分かりにくいステージ・アクションを解釈しやすくなった。特典として、『リバーダンス』の歴史を解説した1時間のドキュメンタリー、ハイ・スピードでつづる16分間の舞台裏映像、2003年のスペシャルオリンピックスにおける8分間のパフォーマンスを収録。イントロダクションや次々と切り替わるステージ・パフォーマンスが全体の流れを損ねているという見方もあるだろうし、本作がタイトルとは裏腹に全長版の代用品たり得ていないのは確かだ。しかし、コンピレーションとして考えれば上出来で、ほかでは見られない映像も収められている。(David Horiuchi, Amazon.com)