たんなる「入門書」で終わってくれない「入門書」。

本書は大きく３つの部類に分けられる。
ひとつは、脅威ともいえる強力なツールを収めたCDROM、
そして技術的な入門としての解説部分、
そして最後が、この書籍の最も特徴的な部分であり、
他のハッキング関連本などでは決して味わうことのできない
「デスクトップからの参戦」と題した「日本の未来のハッカーたち」への
メッセージである。あまりに暴力的で、そして優しい、コラムである。

この本は、前半の2/3弱がハッキング、クラッキングに関するエッセー風の内容で、後半の残りが技術的解説という構成になっています。
前半は著者の哲学が伝わってきて面白かったし、後半も技術論を総括的にまとめてあって、それなりに勉強になりました。
ただ、タイトルと少々の書評だけを信じて、内容を勝手に想像して購入した私が悪いんですが、前半部分は要らなかった(^^;。
読み始めて前書きっぽいエッセーが長いなぁ、と思ってページをめくってみると、ほとんど2/3がそのエッセーでした。それに気がついた私は後半部分から読み直しました(^^;。
繰り返しになりますが、内容は良かったですよ。ただ私の想像と違っていたということで、個人的評価は星二つでした。

後半の技術編は難しすぎてには敷居が高い内容でしたが、前半はのめり込むように一気に読ませていただきました。流石に前書きでこれまで出た本のどれにも満足できなかったと仰っているのは伊達ではありませんね。本当におもしろかったです。

後半の技術編がもう少し内容的に優しいと良かったと思います。あと、付属のソフトの使い方がわかりづらいのが残念でした。

　中国人ハッカーの使用したツールを収録という記述があるが、確かに中国人クラッカーによる攻撃はそれほど高レベルでなくサーバ側のセキュリティ設定が問題であったことは確かだ。　この本は、そのクラッキングの手法などを説明しているので、基本的なセキュリティの常識を学ぶにはいい本であると思う。