まず肉食恐竜が完全に「悪」になっている点です。肉食恐竜という存在がいなければ、地球上の草は草食動物に食べ尽くされてしまい、結局草食恐竜も生きてはゆけません。もっと食物連鎖の中での「必要悪」として描くべきではなかったでしょうか。何も強者であり、弱者を脅かせる役割が全てではありません。
そして、最後に到着するユートピア的な大地。これも結局は肉食動物がいなければ成立しません。
同じディズニー作品でもニモのようにある程度、フィクション的な雰囲気をかぶせれば鮫が魚を食べなくてもファンタジーとして作品は成立しましょうが、ある程度リアリティーを追求した作品であるならばせめてもう少し上手く描いてほしかった。
その点では「ノートルダムの鐘」のカジモドや、「シュレック」の主人公とフィアナは現実的でしかも感動的な役割を与えられていると思います。
内容も良いと思うし、恐竜がCGでリアルに
再現されているその技術にも圧倒されます。
主人公アラダーやそれに関わる登場人物(動物??)
達との、心なごむ触れ合いや、時に壮絶な戦い、
アラダーの勇気ある行動により周りにも観ている
こちらにも、勇気が与えられる、内容となっています。
恐竜の映画といったら、「ジュラシック・パーク」しか
知らなかった私は、すっかり度肝を抜かされました。
こんなすばらしい恐竜の描写の映画もあったのだと。
この映画は、内容・映像・音響どれをとっても
見る価値ありの、すごい映画だと私は思いました。