素晴らしい声を持つシンガー・ソングライター、ブライアン・アダムスから、全15曲収録、55分間の本作が届けられた。彼の熱烈なファンたちが本作を気に入るのは、まず間違いのないところ。それよりも驚くべきは、彼の作品にほとんど関心のない層が本作を見て感服しそうなことだろう――長いキャリアとおびただしい数のヒットを持つにもかかわらず、本質的に実力勝負の芸術家肌であるアダムスの手腕は、それほどまでに見事なのだ。彼はアンプラグドという様式に苦もなく、鮮やかに対応している。珍しい楽器（マンドリン、アイルランドのパイプ類とホイッスル）を取り入れ、マイケル・ケイメンが指揮するストリング・セクション（ジュリアード音楽院の若手演奏家たちで構成）を起用することで、楽曲に興味深いテクスチャーが加わった。その好例が、「18 Til I Die」（バイオリニストの1人が熱のこもったソロを披露する）や「When You Love Someone」だ。難点として、時おり演奏ミスがある。アダムスの曲も、キャッチーではあるが、そう独創的なものではない。それでも全体的に見れば、シンガーのアダムス、彼のバンド、サポート奏者らの健闘により、とびきり楽しめる作品に仕上がったと言える。（Sam Graham, Amazon.com）