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The Crying of Lot 49 (Perennial Fiction Library)

価格: ¥1,332
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Harper Perennial Modern Classics
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洋書好きの僕にも難読書でした! ★★★☆☆
アメリカ、ポストモダン文学の旗手トマス・ピンチョンの作品のなかではもっともよく知られたこの一冊。

洋書は読んでいて挫折する事がままあるが、その中でも特に早く挫折した本。なんと1ページ目の、しかも2センテンス目(4行目)で意味がわからなくなってしまい、本を投げ出してしまった。おはずかしい話である。それにしても、これほど晦渋に満ちた英文というのも珍しいのではないか?古文ではともかく、現代文で出会う事は稀だ、それくらい独自の文体なのだ。一文一文がとにかく長く、しかも内容が本来の意味を超えてどんどん飛躍するので、読んでいるうちに内容が自分の理解の限度を超え、まったく意味が分からなくなってくる。英語力、記憶力、想像力、ハイカルチャーからサブカルチャーまでの幅広い教養と、この本を読みこなすにはかなりの力量が必要とされると思われる。

邦訳”競売ナンバー49の叫び”も同様にかなり難解な本ではあったが、日本語になっているお陰でなんとか読み終えられた。内容は、平凡な主婦が、ある日降って涌いた遺産相続の話を通じて、やがてアメリカ史の裏面で暗躍する闇の郵便組織の存在を知っていくというもの。その郵便組織が実在のものであるのか、主人公の妄想であるのかは最後まで明かされず、現実崩壊の感覚に似たなんとも不思議な読後感を残す。この難解な文体も、現実と妄想の間のギリギリのところを表現するのにはなくてはならなかったもの、とも考えられる。

とはいえ、トマス・ピンチョンの本では比較的入門書的な位置付けをされる本書、アメリカ文学愛好者のはしくれとして、やはり英文で読まない訳にはいかないであろう。もっと英語力をつけて、いずれ再チャレンジしてみたいと思う。その時まで評価保留で、現在はとりあえずの挫折感と敗北感から3点としておく。
ピンチョンを読むならまずこの作品を! ★★★★★
主人公のエディパ・マースは、ある日突然かつての恋人の遺言執行人に指定されてしまう。大富豪だった彼の財産を特定しようとするエディパの行く先全て、会う人全てに、トライステロという名の地下郵便組織の影が見え隠れする。歴史から駆逐されたこの謎の組織は、消音されたラッパを旗印にし、精緻に偽造された切手を使って、自殺願望を抱く人々や同性愛者など、アメリカ全土の影の組織の書簡を密かに取り持っているらしい。アメリカの現実から薄皮一枚を剥いでみると、全く違ったアメリカの姿があった。果たして死んだ彼は、このアメリカの現実にエディパの眼を開かせようとしたのか?それとも全ては壮大かつ巧妙に仕組まれた冗談なのだろうか・・・?

サスペンスばりのストーリーを軸に、卓抜した比喩、豊穣なイメージと暗喩の数々が畳み掛けるような文体の中に詰め込まれています。ピンチョンお得意の歴史を題材にした挿話も魅力的です。60年代の作品でありながら、全く古さを感じさせません。中編で、ピンチョンの作品としては最も読みやすい作品です。何度読んでもそのスケールと緻密さに感嘆させられます。