脳科学に関する本は、池谷裕二によるベストセラー『海馬』や、『記憶力を強くする』をはじめ数多くあるが、本書もこれらに負けず劣らずわかりやすく、かつ興味深い内容に仕上がっている。とくに注目したいのは、脳のしくみをひと通り論じられた後に展開される“脳力”開発のための処方箋。読み書きが子どもの脳に与える影響や、子どもの言語能力を伸ばすための方法など、子育てに関する内容がとくに目を引くが、これらは大人の能力開発にも応用可能である。タイトルにもなっている「なぜ月曜日は、頭が働かないのか」をはじめ、見出しも興味をそそるキャッチーなものが多く、楽しく読めること請け合いである。
脳科学の概要を手軽に知りたい方や、能力開発のヒントを手に入れたい方に、おすすめしたい1冊である。(土井英司)