主人公はニュージャージー一帯を仕切るマフィアのボス、トニー・ソプラノ。マフィアという“仕事”でも、家族との間にも様々な問題を抱える彼を中心に、駆け引き、裏切り、迷い、家族愛といった人間模様が描かれる、人気ドラマシリーズの第2シーズンだ。
   シチュエーションの巧みさ、人間関係のギリギリ感、皮肉なユーモア、そして最終回のなんともいえない余韻。どれを取っても第1シーズンを凌駕する素晴らしい出来映えだ。1つのエピソードがまるで1本の映画を見ているかのような密度の濃さである一方、シリーズものならではの大きな流れもとことん楽しませてくれる。単純に笑える、泣けるといった話ではないし、暴力描写もあるので、万人向けの作品とは言えないが、観る者に対して手抜きをしない“本物のドラマ”を観たい人には強くお勧めしたい。（安川正吾）