トライボロジーに関する技術史を詳しく学べる本
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弾性流体潤滑理論を体系化したDuncan Dowsonが10年かけて完成させた"History of Tribology"(1979)は「トライボロジーに関する古代から最近に至るまでの歴史を、専門的かつ体系的にまとめた世界の唯一の書」(「まえがき」より)とされますが、これを1/3程度の抄訳書とし、さらに補遺として「日本にみるトライボロジーの源流」と「現代軸受の元祖レオナルド・ダ・ヴィンチ」、さらに「ダウソン先生の思い出」を付け加えたのが本書です。
トライボロジーは、「相対運動を行いながら相互作用を及ぼし合う表面、およびそれに関連する実際問題についての価額と技術」と定義されていますが、これは全ての機械に何らかの関係があるもので、本書はその技術史として興味深く読むことができます。