お宝発見!!
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彼らの初来日公演を渋谷公会堂(今は違う名称)で観て、大ファンになりましたが、ドラマーのジェフ・ポーカロが不慮の事故(殺虫剤のアレルギー)で亡くなり後任にサイモン・フィリップスが加入した時点でなぜか聴かなくなりました(笑)。
たまたま見かけたレヴューがきっかけで本作品を購入しましたが.....あまりの素晴らしさに脱帽です。
TOTOのあの独特のグルーブ(ノリ)を作り出していたJ・ポーカロ亡き後、どんなテクニシャンのドラマーが加入してもあのTOTOはもう聴けないと勝手に思っていましたが、どうしてどうして。
TOTOのあのグルーブを踏襲しつつ、さらに高次元で楽曲にドンピシャのドラミングを繰り広げるサイモン・フィリップスに正直驚きました。
オリジナルメンバーのスティーブ・ルカサーも絶対の信頼を置いているのが、画面からヒシヒシと伝わってきます。
さらに...ビートルズやツェッペリン、ポリスやレッチリ等の超一流のバンドにしか存在しないメンバー間のケミストリーがこのTOTOにも感じられ驚きが倍増しました。
昔のTOTOファンにもおすすめ
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最近TOTOを聞いていない、初中期ファンの方でも楽しめると思います。
なによりボビーキンボールの調子がいい。
ブルーレイは音がいいですね。ホームシアターでdts HDでかけるとすばらしいです。
ミュージシャン’s ミュージシャン
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現在のところ、事実上彼らのラストライヴ映像となってしまったこのDVDは、それにふさわしい内容でした。
ポーカロ兄弟やオリジナルメンバーはほとんどいなくなり、どうかなぁと不安に思いましたが
いやいや個々の実力とバンドとしてのまとまり感は今まで以上にすばらしいです。
リーランド・スカラーとサイモン・フィリップスのリズム隊も実にスマートで、
バンドに大きなスパイスを与えており、マイクとジェフの穴埋めをしっかりとこなしています。
両者ともかなりのテクニシャンですが、難しそうな顔ひとつ見せずに
淡々と演奏しているところがまた凄いところです。現時点では最強の後任ではないでしょうか?
サイモンのドラムソロのシーンなど映像処理・ライティングには、
所々無意味で見づらい部分もありますが、画像のクリアさ・音のバランスの良さ等、高水準です。
パリの大人の観客達も皆本当に素敵で、日本の聴衆だったらビジュアル的にも
こんなに美しい映像にはきっとならなかったでしょうね。
彼らのような真のプロフェッショナル達の高品質な音楽を日本人はもっと見聴きし、センスを磨くべきでしょう。
いいねえ
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超一流バンド。スティーブ・ルカサーのギターは、ホント上手いね。
これまた懐かしすぎる。ブルーレイ最高。
選曲・演奏・サウンド・映像すべて完璧
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1992年に急逝したジェフ・ポーカロ(Dr)、家族の看病で2004年以降ツアーを離れたデヴィッド・ペイチ(Key)、そして2007年に重病ALSを発症したマイク・ポーカロ(Ba)、相次ぐ主要メンバーの離脱により、バンドの存続が危ぶまれた中で行われた2007年ツアー。そのパリ公演を記録したのが本作です。メンバーは以下のとおり。
スティーブ・ルカサー(Gt,Vo)
ボビー・キンボール(Vo)
グレッグ・フィリンゲインズ(Key,Vo)
サイモン・フィリップス(Dr)
以下はサポートメンバー扱い
トニー・スピナー(Gt,Vo)
リーランド・スカラー(Ba)
メンバーの顔ぶれから、実はあまり期待していなかったのですが、これが演奏も映像もすべてが素晴らしく、充実したライブ作品でした。
長年ツアーをサポートしてきたスピナーは勿論、名うてのセッションマンであるスカラーもバンドによくフィットしており、楽しんでプレイしているのが映像から伝わってきます。
歌えるメンバーが多いのがTOTOの特徴ですが、このツアーでもフィリンゲインズがペイチのパートをほぼ全て歌っているほか、スピナーはお馴染み「Stop Loving You」のアコースティックセッションで、すばらしいハイトーンを披露しています。
フィリンゲインズは一人で数台のキーボードを操りながら歌う大活躍で、ジャズテイストあふれるピアノプレイといい、アフリカ色のあるヴォーカルといい、TOTOに「黒っぽさ」という新風を吹き込んでいます。
ルカサーのギタープレイは、バンドが最も売れていた1980年代よりも更に進化しており、絶妙に音程を操るチョーキングや、滑らかな速弾きで魅了してくれます。ギターサウンドの素晴らしさも特筆すべきでしょう。
キンボールは、自身の持ち歌でのパフォーマンスは素晴らしいのですが、ジョセフ・ウィリアムスやファーギー・フレデリクセンの曲は合わないですね。特に「ISOLATION」はキーが合わず苦しそうでした。
コーラスはナマ歌もありますが、かなりサンプリングを使っています。でも、「ABSOLUTELY LIVE」の女性コーラスにかなり違和感を覚えた自分としては、こっちの方が都会的でTOTOには合ってると思いました。賛否両論あるでしょうけど。
最大の聴き所は、超一流ミュージシャンのみが醸し出せる最高のグルーブ。
各メンバーのソロタイムもあるのですが、それほど面白くはない。やはりTOTOはバンドが一緒に演奏した時のノリが真骨頂。この心地よさ、気持ちよさはぜひ観て体験してほしい。
これだけメンバーが替わっているのに、出てくる音はやはり「TOTOそのもの」なのが凄いところ。これは原曲のアレンジがいいんでしょうね。改めてオリジナル盤に携わった、ペイチやジェフへの敬意を覚えます。
ツアータイトルでもあるアルバム「Falling in Between」から4曲が演奏されていますが、これが実にライブ映えしていい感じ。1980年代の名曲にも負けていません。このメンバーでもっとアルバムを作って欲しいですねえ。
ルカサーが客席に「この中でミュージシャンの人は?」と訊ねると、半数近くの観客が手を上げていました。やはりTOTOは「ミュージシャンズ・ミュージシャン」ですね。
欧州や日本では高い尊敬を得ているのに、本国アメリカでは「AOR=男らしくない・オカマの音楽」みたいなひどい認識がまかり通っていて悔しいですね。ロックにマッチョイズムを求めるのは分かりますが、アメリカ人は極端すぎます。はやくアメリカでも、その音楽の素晴らしさに見合ったリスペクトを得る時代が来てほしいです。