基本的に、数ある音楽映画の中でも、突出した傑作であることは間違いない。
"Shadows in The Rain"での故ケニー・カークランドの切れのあるソロ。
”Roxanne"でのブランフォードのソプラノの絡み具合。
"I Burn For You"におけるオマー・ハキムの火を噴くようなドラム。
（CD版"Bring On The Night"において、なぜこちらのテイクが採用されなかったのか!?）
などなどと、ライブシーンに入ってからも見所満載な本作だが、
やはりファンにとっては前半のリハーサルセッションが一番のハイライトだろう。
腕利きのジャズミュージシャンたちとジャムりながら、曲を磨き上げていく様子に
みているこちらの顔がニヤついてしまう。個人的には
夜のパリの街灯りと共に描かれる"Consider Me Gone"の最後のキメで、やられました。

以上のように内容的には5つ星なのだが、ブルーレイ化に際しては大いに不満がのこる。
フィルム上の傷の修正などが全く行われていない！そして、高画質になったために
必要以上にこの傷が目につくのだ。待望のブルーレイ化だけに残念で、泣きながら４つ星とせざるを得ない。

まずはリージョン･フリーでのDVD発売を喜びたい。輸入盤には日本語字幕はないが，基本的に音楽映画であるから字幕なしでも問題ないし，英語字幕でも十分である。監督は007シリーズの"World Is Not Enough"や｢エニグマ」，「歌え！ロレッタ愛のために」等を撮ったMichael Aptedなので，記録「映画｣としてもしっかり作られている。いずれにしても，このDVDの最大の魅力はStingと彼のバンドの演奏シーンに尽きる。Branford Marsalis，Kenny Kirkland，DarylJones，Omar Hakimという最強のメンバーがStingと共に熱い演奏を展開する様は鳥肌モノである。Stingのソロ･キャリアでも最高の瞬間を捉えた傑作であるとともに，Talking Headsの"Stop Making Sense"と並ぶ音楽記録映画の最高峰の一つとして強く推薦。