なんとなく店頭で手にとってみて衝動買いした作品でした。表紙のイメージからそこそこ明るい話だと思っていたら、内容は序盤からかなり悲劇的。表紙との落差に少し驚きましたが、さらに驚いたのは本書の質の高さ。近年読んできた小説の中でも、これほど没頭出来る物語は他にありませんでした。
いや、面白い作品というのは数多くあるのですが、それらは文章が読みづらかったり冗長だったりと欠点もあり、手放しで褒めるのは難しい作品ばかりだったのですが、本作は文章も読みやすく話の流れも無駄がない、非常に完成度の高い作品だと思うのです。
ちなみに本書は少女向けのものらしいですが、自分は成人の男です。けれど主人公のローザはもちろんのこと、アシュレイ、ユリウスなどの男性陣もかなり魅力的に感じました。
最初から最後まで波乱万丈で飽きることのなかった本書。
そして言いたいことはただ一つ。
本書の続編を書いてほしいです。出来ればローザ、アシュレイ、ユリウスの三角関係もので。当面の悲劇は本書で過ぎ去ったと思うので、次巻はぜひ明るく幸せな方向で。

追伸
読んでて思ったことですが、本書の内容を演劇にしてみたらかなり良い評価をもらえる気がします。どちらかと言えば小説よりも演劇向けのお話じゃないかと思ったのですよ。

期待以上でした。イラストレーターさんが好きで買ったのですが、どのキャラクターも非常に素敵です。
糖度が高い部分もありますが、ストーリーや設定もしっかりしていて、メイン以外のキャラクターも魅力的です。つまり全体的にレベルが高いです。

アシュレイ→金髪の男性→が馬鹿のフリをした切れ者というのがかっこいいです。
主人公に対して、最初は冷たかったり演技くさかったりするのに、本気になってしまっているのが分かって良かったです。完全にのめり込んでる気が…。

スパイだと疑われているのにアシュレイのために一生懸命になっている主人公がカワイイです。自分のために一生懸命な女の子…男なら惚れるだろうって感じ。純真でちょっと天然気味、でも頭も使えるし勇敢な女の子です。

海賊との戦いや政治的なお話も気になるので、今後が読みたいと思いました。