これは2000年発表の『ジャスト・ビサイド・ユー』に続く通算6枚目のアルバム。このところヒーリング・ミュージックへの傾倒が著しい鈴木だが、これもその路線にのっとった心安らぐ癒しの歌声。シンプルなアコースティック・サウンドをバックに淡々と歌う物静かで柔和な歌声が印象的だ。「聴いた人の心が休まるようなもの、感動するとかカッコいいとか、そういうものより、安らげるみたいなものを作りたい」と彼女はかつて語っていたが、これはまさにそうした彼女の考えを反映した音楽だ。
ブレッド71年のヒット曲<1>からスタート、喜納昌吉の人気曲<3>、ケヴィン・レトーの<6>、キャロル・キングの有名曲<7>など、おなじみの曲を彼女流に清楚に歌っている。透明感漂う歌声が耳に残る<9>など自作も4曲、オリジナルにも力を入れている。(市川正二)