ボブ・マーリーの大ヒット・ベスト・アルバムの収録曲をビデオで楽めるだけで充分だと思っている人にとって、このDVDは嬉しい驚きになりそう。本作『Legend』は、単純なビデオ・アンソロジーを超えた1枚だ。ここに収録されているのは、ボブ・マーリーの姿を23本のビデオ(その大半が演奏場面)で追いながら、その音楽をたどる歴史物語風の作品1本、そして90分間のドキュメンタリー1本。ドキュメンタリーのほうは、さまざまな映像やビデオ・クリップにマーリーのダイアローグが途切れることなく被さるという体裁で、よほどジャマイカ訛りに馴れている人でない限り、字幕を表示して観賞することをおすすめしたい。興味深い内容だが、もっと出来のいいドキュメンタリーがほかにある(たとえば「The Bob Marley Story: Caribbean Nights」)。しかし、このDVDを値千金のものにしているのはライブ・パフォーマンスの数々なのだ。ボブ・マーリーの音楽に少しでも関心を持っているなら、ステージに立つ本人の姿を見ておくべきだろう。音楽的な面において、マーリーは、いかなるアーティストも望めないほど完ぺきの域に迫っている。だがパフォーマーとしてのマーリーは、ポップ・スターという俗世間的なステータスを超越して、ひとつのムーブメントの神話的リーダーにのぼり詰めていると言えそうだ。 要注目の演奏として挙げられるのは、有名な映像作品『Live at the Rainbow』(1977年6月撮影)からの8曲、それに、BBCの音楽番組『The Old Grey Whistle Test』のために1973年に撮影された、ウェイラーズの一員としての初期記録(「Stir It Up」と「Concrete Jungle」)。これらには、もう催眠術とでも呼ぶしかない魔力がある。DVDの音質はおおむねクリアでメリハリが効いており、そつのない仕上がりだ(「Could You Be Loved」はもう少し改善の余地があったかもしれない)。また、“プレイリスト”機能が付いているのも便利で、視聴者は収録ビデオを好きな順序で再生できる。というわけで、真の伝説的ミュージシャンにふさわしい風格の一枚。(Rob Bracco, Amazon.com)
アイランドヴィジュアルアーツよりのこの作品では主にライブというよりプロモーションの映像が多く収録されている。当時のジャマイカの姿をだれもが感じることができよう。「emancipate yourself from mental slavely(精神的奴隷から自らを解放せよ)」スタジオの一室でredemptionsongを歌う姿を観て、誰もがこの素晴らしさを知ることだろう。