視野狭さくの論者による本
★☆☆☆☆
Q&A方式で、死刑の問題点を列挙。ところがその実、死刑反対論者の視野の狭さを如実に現した本となってしまっている。
死刑反対論者のおかしなところは「ある男が死刑になる…」というその場面だけを見て、やれ残酷だの、国家による殺人だの責めるところ。
確かにそこだけ(死刑執行の場面だけ)を注視すれば、嫌な気分になるのも分からないではない。だがその男がたとえば、他人の新妻を強姦殺害。赤ん坊も床に叩きつけて殺した張本人だったら……。或いは包丁を持って小学校へ乱入、大勢の子供たちの笑顔を奪った犯人だと分かったなら……。或いは、屈託のない笑顔の園児を甘言で誘い出し、ハサミでその性器を傷つけ、立体駐車場の屋上から突き落として殺した奴だったら……。
普通の人はそのように理由も考え合わせて、死刑の成否を判断するのではないか? 死刑廃止論者は、そこを必死に見ないようにしているとしか思えない。とにもかくにも「死刑は野蛮です!」、その一つ覚えなのだ。
そりゃ死刑のない社会は理想かもしれない。だがそれよりも、子供を殺した犯人を人々が黙って許す日……。黙って許さなければならない日……。そんな日が来てはいけないと思う。