確かに、驚異的テクニックでびゅんびゅん弾きまくるピーターソンを『弾きすぎるのでつまらない』とか『長く聴くとゲップが出る』などと評するジャズファンもいます。また事実、彼のCDをずっと聴いていると、そう感じることもあります。しかしながら、目くるめく速さで鍵盤を右へ左へ!と移動する彼の指使いを見ていると、これはも『うわぉーっ!』『ひぇー、すげー!』といった感嘆詞の連続で、飽きることがありません。特に最後のブルース・エチュードでのピーターソンのノリは『 ! ! ! .....! 』です。
今年78歳になるピーターソンは、もはや昔のようには弾けませんし、ギターのジョー・パスは亡くなっており、彼の超絶ギターも、もう見ることはできません。その意味で、ここに残されている映像は、見ていて楽しいだけでなく、歴史的にも貴重な記録だと思います。
ただひとつ、惜しむらくは、映像のカメラワークがいまひとつで、ときどきはずしてしまうシーンがあることです。まぁ、ホールでのライブ録画なので、撮影条件が万全じゃないから仕方ないのですが...。ちょっと厳しいようですが、星ひとつ減点しちゃいました。