本書では法律や条令、行政指導といったものだけではなく、人のふるまいに影響を及ぼすすべてのことを「規制」と定義づけており、それらはインターネットの規制を考えるうえで重要だとしている。また本書の規制に対する関心は、目先の規制をどうやってかわすかや現状の規制にどう収まるかというような今日や明日の話にはなく、もっと根底の深い部分にある。我々がもっている規制の総体について注目し、さらにその総体がインターネットの導入によってどう変わり、今後インターネットが大きく変化していくなかで総体がどう変化を遂げるかという点について大きな関心を寄せている。「ショッピングサイトを立ち上げるときに気をつけておかなければならない法律的な知識が知りたい」といった手軽なあんちょこ的な内容を期待する人よりは、広く深くインターネットの規制について考えたい人におすすめしたい。(近藤大介)