アルバム『HOT SPACE』の不振でメンバー間に亀裂が入りかけていた複雑な時期のライヴ(この後の日本公演後にツアーが、再開されたのは2年後だった)。それでもそんな事は微塵も感じさせない結成10周年の記念に相応しい「これぞクイーン!」と云える素晴らしいライヴを披露している。特に『HOT SPACE』からの曲は、打ち込みやテクノロジーを多用したアルバムでの音と異なり生々しい彼等本来の演奏が聴く事が出来る。この演奏でアルバムも作られていたら評価も大きく異なっていたと思えるカッコ良さだ。又、本編の高画質・高音質も特筆モノ。
映像特典は、今回もテンコ盛!特に日本公演の「手をとりあって」が、収録されたのは嬉しい!と同時にコレが全世界発売されていると思うと日本人として誇らしく思える。
しかし、これで以前ヴィデオ/LD発売された日本公演の60分モノ(今回"Now I'm Here"の前半が別アングルなのは◎だが)の発売が、今後難しくなったかも・・・(1983年の発売当時に日本のFCで全長版120分が、フィルムコンサートとして上映された事もあった)。
オーストリア公演は、音質・画質共に粗い。
80年代に行われた『THE GAME』『HOT SPACE』『THE WORKS』『A KIND OF MAGIC』の各ツアーが、これで全て発売された事になる。ここ数年、毎年秋にDVDを発売している彼等だが、まさにその名の通りに女王様だった様式美溢れる70年代の彼等のライヴを是非、是非発売して欲しい(ロンドン・ハイドパークでのフリーコンサートなんて最高なんですけどねぇ)。