もはや「元マーヴェラス3」という呼び名は不要だろう。アヴィリル・ラヴィーンやアメリカン・ハイファイを手がけたトップ・プロデューサーとして知られるブッチの2枚目のソロ作だ。そのソングライターとしての手腕が開花し、シングル「ミックス・テープ」を筆頭に切ないメロディが満載、まったく死角はない。しかも曲が良いだけでなく、ブッチ自らとジム・エバートが手がけたサウンド・プロダクションも見事。過剰にドライにもウェットになることもなく、理屈抜きで聴く者のハートに直球ストライクで入ってくる、完璧なまでにポップなロック・アルバムだ。（山崎智之）