本作は、ピクシーズが再結成して行ったワールドツアーで、ツアー向けにアレンジされた「Bone Machine」から始まる。このオープニングが実に功を奏している。ライヴによって見た目が違っていても、筋は通っているのがピクシーズのいいところなのだ。キム・ディールとデヴィッド・ラヴァリングは長髪、女性メンバーは髪を短くしていて、他の男性メンバーには髪がない（ブラック・フランシス、ジョーイ・サンティアゴはあまり変わらない）。オープニング後は25曲演奏され、2曲アンコールが入る映像は、2004年フランスの音楽祭で大観衆の前で行われたもので、さらに15曲のボーナストラックが入っている。ボーナストラックはイングランド、スコットランド、日本、アメリカ（カリフォルニア州インディオ、テキサス州オースティン、マサチューセッツ州ローウェル）で行われたライヴからのものである。10年以上も経ってから再結成してチケットが「売り切れ」になっても、誰もピクシーズのメンバーを怠け者とは責められないだろう。確かに、曲目の大半はスタジオ録音版と極端に違わないが、比べられてどうこう言われる筋合いはない。ストロボのたかれる「Tame」、叙事詩「Vamos」は特に、にぎやかなハイライトシーンになっている。43曲（33曲のユニークな曲目の後に10曲別なテイクが入っている）のデジタル映像は、実に幅広い内容である（バンドのメンバーがインタビューに答えたり、音声解説したりはしていないが）。メンバー4人のすばらしい演奏のほか、「Come On Pilgrim」のレコード盤が入り「UK Surf」ミックス版の「Wave of Mutilation」（「Pump Up the Volume」のB面に入っていた）も入っている。彼らのすばらしいカムバック・シングル「Bam Thwok」以外は、全ての楽曲がそろっている。（Kathleen C. Fennessy, Amazon.com)