リッチー・バイラーク・トリオ編成25周年記念作品~モダン・ジャズの巨人、マイルスのトリビュート作品!
バイラークといえば、1980年に亡くなったビル・エヴァンスへの追悼の意を込めて翌81年に製作した『エレジー~ビル エヴァンスに捧ぐ』でも高い評価を受けたが、本作は「ソラー」「オール・ブルース」「マイルストーンズ」「ソー・ホワット」と、全10曲中4曲がマイルス・デイビス作のナンバーで、マイルスのレパートリーとして有名だった曲を含めると半数がマイルスゆかりの曲で構成されていることでもわかるように、マイルスにトリビュートしたアルバムだ!
バイラークはビル・エヴァンスの流れを汲むピアニストで、1947年ニューヨーク、ブルックリン生まれ。レニー・トリスターノに師事した後、バークリー音楽院からマンハッタン音楽院に進み、73年にはスタン・ゲッツ・カルテットで初来日を果たしている。2000年からライプチッヒの音楽学院で教鞭をとるため、ドイツへ移住している。
そんなバイラークの持ち味は、トリオ、デュオ、ソロ等、極めて小編成によるプレイだが、この作品でもジョージ・ムラツのベース、ビリー・ハートのドラムによる自慢のトリオでその魅力を伝えている。
本作は、ヴィーナス通算5作目となるアルバムでもあり、バイラークが全精力と全エネルギーを注ぎ込んで創り上げた意欲作!(The Walker's 加瀬正之)