ローリング・ストーンズの伝説的作品『Rock & Roll Circus』は、30年近くもの間まったく入手不可能な状態が続き、1996年になってVHSビデオでリリースされた。今回のDVD化によって、ようやく満足のいくかたちでの商品化が実現したことになる。内容は1968年の同名イベントのドキュメントだ。ストーンズは自分たちの演奏に満足していなかったと言われており(長らくリリースされなかった理由はここにある)、確かに完全燃焼には至っていない。当時のニュー・アルバム『Beggars Banquet』から「Jumping Jack Flash」などが演奏されるが、キース・リチャーズは真剣そのものなのに、ミック・ジャガーは(特に「Sympathy for the Devil」において)調子に乗りすぎだ。ギタリストのブライアン・ジョーンズは見るからに頼りなく、翌年の死に向かってまっしぐらといった様子。また、ストーンズ以外の参加アーティストについても首をかしげたくなる場面がある。ジェスロ・タルはバレバレの口パクをやってのけるし、タジ・マハールのバンドはサーカスのセットなし、観客なしの状態で演奏をやらされるという始末。即席スーパー・グループのダーティ・マック(キース・リチャーズ、エリック・クラプトン、そしてドラマーのミッチ・ミッチェルが参加)とジョン・レノンの共演は、ビートルズの「Yer Blues」のカバーがいい出来だが、ヨーコ・オノの耳障りな声が難点だ。とはいえ、ザ・フーは素晴らしい存在感だし、マリアンヌ・フェイスフルは美しいし、さまざまなサーカス的趣向は楽しい。観客も大いに盛り上がっている。
本作には魅力的なDVD特典がいくつか用意されている。たとえば、新たに追加されたタジ・マハールの3曲、ジュリアス・カッチェンによる素敵なクラシック・ピアノ演奏、「Yer Blues」の4分割画面バージョンなどだ。中でも最高なのは、ザ・フーのピート・タウンゼントとの新しいインタビュー、それにDVD化にあたって追加された各種の音声解説である。後者で特に注目すべきコメントを出しているのは、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソン、監督のマイケル・リンゼイ・ホッグ、そしてストーンズのジャガー、リチャーズ、ビル・ワイマンだ。ちなみにワイマンによると、ジャガーが本作のリリースを嫌がった理由は自分のパフォーマンスがお粗末だったからで、バンドに非はないとか。何ともドライなお言葉だ。欠点はあれど、見ごたえ充分の1枚。(Sam Graham, Amazon.com)
THE WHO
★★★☆☆
後に ミックが 不機嫌に なった事もよく分かる(笑)
完全に THE WHOに 喰われている
えげつない程の圧巻パフォーマンス
しかし キースのドラムから 出る水しぶきは
一体どうやってるんやろ
96年にでたVHS版は60分で4,800円だった。
★★★★☆
時代は確かに変わってます。今でているDVD版は未公開や特典も入って120分か…。
…話は本題に入ります。
この「ロックンロールサーカス」の魅力は時代の空気感です。私にとっては内容の善し悪しではなかったです。
それをいってしまえば、ザ・フーのキース・ムーンは最高だけどオノ・ヨーコは最悪だとか、
ストーンズメインだから仕方ないけど、せめて「Sympathy For The Devil」と1曲だけでいいのでは?とか、
ミック・ジャガーの体に描いた悪魔ってどうなんだ?…とか語ってしまえばきりがないです。
1968年という時間の中でジョン・レノンやエリック・クラプトン、ジェスロ・タルにタジ・マハールが、
そしてローリング・ストーンズがいて、この時代に「ロックしている」というのが
60年代をリアルタイムに過ごしていない自分にとって最大の喜びでした。
ローリング・ストーンズ好きだけでなく、ビートルズやザ・フーを聞いている方にもお勧めします。
このDVDのレビューを一通り見たが・・・
★★★★★
みんな肝心な事を語り忘れちゃいねえか?
オノ・ヨーコだよ!(笑)
確かに音楽的にはクソだが、実はあのパフォーマンスは元祖グランジなのではないかと最近思った。
あれがなかったらビートルズ流グランジ(当時はそんな言葉ないが)であるI want youも無かったかもしれん。
よって、ニルヴァーナのファンはオノ・ヨーコをグランジの母としてリスペクトしましょう(笑)
※あともう1つ誰も語らない見所があった。
トップ・バッターの笛を吹きながら歌う男だよ。あれもカッコイイぜ!(笑)
『ロックン・ロール・サーカス』は、いろいろな思いを含んで楽しめる作品である。
★★★★☆
『ロックン・ロール・サーカス』は見所が多い作品である。
ピート・タウンゼントがインタビューの最後で、「この映像は30年後に見ても楽しいはずだ」と言った。
確かに楽しい映像作品だ。
TV番組用に企画され、豪華なゲストが出演しているというだけでなく、トミーでブレイクする寸前のザ・フーの白熱の演奏。
一晩だけの贅沢な幻のバンド、ザ・ダーティー・マックの焦げ付くようなブルース。
ザ・ダーティー・マックは、ボーカル&ギターがジョン・レノン、リード・ギターはエリック・クラプトン、ドラムはミッチ・ミッチェル、そして、ベースはキース・リチャーズというメンバーである。
ジョンのボーカルが素晴らしく、「ブルースもいけるやん!」と思わず唸ってしまう。
貫禄を感じさせる、タジ・マハールには、ノックアウトされた。
可憐なマリアンヌ・フェイスフルには、うっとりしてしまう。
ジェスロ・タルのステージでは、トミー・アイオミがギターを弾いている。
こんなに、出演者が豪勢でバラエティであっても、ザ・ローリング・ストーンズの『ロックン・ロール・サーカス』としてまとまりがあり、散漫な感じは一切無い。
ザ・ローリング・ストーンズの演奏は、ちょっとスローな「Jumpin' Jack Flash」から始まり、当時のニューアルバムである『Beggars Banquet』から多く演奏されている。
圧巻なのは「Sympathy For The Devil(悪魔を憐れむ歌)」で、ジョン・レノンは踊り狂っている。
エンディングの「Salt Of The Earth(地の塩)」では、充足感がいっぱいである。
『ロックン・ロール・サーカス』はザ・ローリング・ストーンズというバンドの歴史上で、とても貴重な作品である。
その理由は、バンドの主導権がブライアン・ジョーンズからミック・ジャガーに移ったと、はっきり実感させられるからである。
実際に、この後にブライアン・ジョーンズは、ミックとキースにバンドから追い出される。
ピート・タウンゼントのインタビューで、「ブライアンは、ずっとステージの横で泣いていた。キースは見て見ぬふりだった」という。
心が痛むエピソードであるが、避けられない道だったのは事実であり、良否は別として、その事実は受け入れないわけにはいかない。
確かに、全体的にブライアンの表情は暗く見えるが、エンディングの「Salt Of The Earth(地の塩)」での笑顔は何なんだろう?
ピートのコメントは、作られたものなのかとも思える。
『ロックン・ロール・サーカス』は、いろいろな思いを含んで楽しめる作品である。