「スウィートジェーン」はやっぱり演ってます
★★★★☆
あの「ベルリン」をまるごとライブ演奏した作品。
ルーリードファンにはおすすめといえます。
ルーの横には、なんとあのスティーブハンターが。
結構良いプレイをしていますし、ここしばらくは固定されたサイドギタリスト(名前を失念してしまいました)だったので、とても新鮮です。
それに曲によってはフェルナンド・ソンダースとロブ・ワッサーマンがダブルでベースを弾いています。(ロブはもちろんあの、ベースです)
入念に準備されていたであろう分厚い演奏のためか、ライブではあやうくなりがちなルーのボーカル&ギターも非常に力強く歌っています。
そして、最後はやっぱり「スウィートジェーン」。
いつも必ず、絶対この曲だけは演奏しますね。
ここでスティーブは気持ち良くリードを弾いています。
禁断の「ロックンロールアニマル」バージョンか、と思ってしまいました。
ルーはよくOKしたな。です。
素晴らしい作品です
★★★★★
お詫びから。以前にレビューで字幕なしと記しましたが、単なる当方の設定ミスでちゃんと訳詩の字幕がつきます。やはりこの作品は映画同様字幕がなくては。ルーの世界に浸れます。
英語が堪能な方以外はぜひ日本版で。(高いけど)
本編は当然ながら、アンコールの二曲も白眉。演奏・映像・編集とも申し分なしの作品です。
*リアル「ベルリン」世代なのですが、この作品が失敗作だったとの解説を読んでビックリしました。日本ではレビューの評価も高かった記憶があるし、この手の音楽が好きな周りの友人は皆持ってましたからね。
できればこの場に居合わせたかった…
★★★★★
これはルー・リードというアーティストの特異性が凝縮された作品だ。
まず第一に、30年以上も前の、商業的には失敗とされた作品曲順通りに演るというライブが興行として成り立ってしまう例はそうそうないでしょう。しかもそれがルー・リードの過去と現在を見事に繋ぐことに成功しているのだから。
そしてこのステージでの姿には衰えというものがまるで感じられない。アルバムの性格上当然なのかもしれないけど、繰り出される曲たちは“懐メロ”になどなっていないし、過剰な装飾で誤魔化したりもしていない。コーラス隊や管弦楽ユニットが『ベルリン』の雰囲気を醸し出すのに一役買ってはいるけれど、それはあくまでもルーと彼のバンドの添え物に過ぎない。気高くも哀愁の籠ったピアノに導かれるタイトル曲の余韻を「レディ・デイ」のイントロが切り裂くとこなんか背筋がゾクゾクしちゃうね〜。
基本的にこの作品はライブをありのままに収めたコンサート・フィルムだ。随所にジュリアン・シュナーベルが手掛けたイメージ映像が差し挟まれたりもするけど、それはバックのスクリーンに映し出されていたものなので、ここでは徹頭徹尾ステージ上にあったものしか撮られていない。そのステージ上のメンバーたちは決してルックス的にイケてるとは言い難い。でもこの作品は、驚くほどに美しい。
それはきっと『ベルリン』という作品自体が元々持っていた美しさを、このステージに関わった全ての人が表現しきったからだろう、と思う。この“音による映画”が本編ラスト「サッド・ソング」で、美声コーラスと、爆音と言ってもよい演奏が入り混じって締めくくられる様は圧巻!
このライブからはルー・リードという人の歩んできた道までもが透けて見えるけど、同時に今現在のルー・リードの格好よさも伝えてくれる。
還暦過ぎでもこんなことができるんだな〜。
お勧めです
★★★★★
僕はシュナーベル監督と違い、スタジオ盤の「ベルリン」には余りはまらなかった。
理由として、あまりに雰囲気が陰鬱すぎたことがあった。しかし、「レディ・デイ」「サッド・ソング」等、佳曲も多かったことは確か。
今回、ライヴ化され、”スタジオ盤に足りなかったモノ”が加わったような気がする。バックバンドの力強さ、女性コーラス・・・お世辞抜きで新たな息吹が作品に加わったように感じた(おまけに管弦楽団まで付いてます!)。
映画だけあって、ステージ後ろにはスクリーンがあり、キャロラインやジム達のイメージ映像が流れる。これも作品の雰囲気を壊さない、いい出来だと思う。
初っ端のタイトル曲の、ピアノのイントロだけでも、ファンにはたまらない作品だと思います。