フェイスフリー
価格: ¥2,548
『Faithfully<』で聴かれるフェイス・エヴァンスのハスキーなボーカルには、哀愁が感じられる。強い後悔の念と、弱みや抗しがたい現実を感じさせるような陰鬱さだ。この痛みは、1995年のヒット曲『You Used To Love Me』のような失恋を歌ったミドル・テンポのバラードによく表れており、あらゆる点から フェイス (今は亡きノトーリアスB.I.G.と結婚していた)は、現代を代表するシンガーだといえる。第2のMary J Bligeと言われるだけあって、フェイスもアップテンポのリズムを自身のムーディーな音楽に加えた。その結果、彼女の3作目のCDからはデビュー・シングルが外された。リズミカルな西海岸スタイルのビートに乗った『You Gets No Love』 (新進のMichelangelo Saulsbergがプロデュースした)は、クラブ向きの明るい作品で、フェイスの憂いを帯びた声もビートに融合されている。この充実したアルバムの中で一番「強い」作品が『I Love You』や、男性がそばにいることを歌った『Do Your Time』であるのもこのためだ。これら2作は、P Diddyが共同プロデュースした。フェイスはどんな歌でも歌えるが、愛について歌うとき、情熱が生まれる。Amy Linden