面白く、明快な数学書
★★★★★
いろんな数学の本を読んできたが、これほど面白いと思ったことはあまりない。多項式という非常に具体的な対象を扱いながら、現代的な数学理論が導入され、そして計算機代数のシステムに理論が応用できる。
説明と証明も明快に書かれている。
必要な予備知識は大学理系の線形代数で十分である。
具体性、抽象性、応用と3つが、線形代数レベルの基礎知識で理解できる範囲にうまく揃うような理論はあまりないだろう。
大学での数学科目でこのような内容を使えば興味を持てる人は多いだろう。
Mathematica, Mapleなどの計算機代数システムとこの本を使うような授業が多くなれば大学で数学が好きになる生徒が多くなるだろう。これらのシステムが高すぎるという場合は、フリーのMaxima,Risa/Asirなどを使うことも可能である。