Blink 182のメンバーだったら、毎日きっと楽しいだろう。「Urethra Chronicles」を観るかぎり、世界中を旅して、とことん子どもじみたふるまいをして、一般大衆向けにとんでもなく愉快なパンク・ポップを演奏するのが彼らの主な仕事なのだから。要するにこのDVDから3人のブリンクの日常をこっそり観察すると、下ネタへの愛着と、ゲイへの執着らしきものしか見当たらないのだ。ライヴの様子が中途半端に抜粋されている以外、楽曲そのものはあまり取り上げられておらず、いらいらするくらいだが、あなたがティーンエイジャーの少年でなくても、彼らのファンでなくても、観ていてとても笑える場面がある。もっとも映像の大半は楽屋落ちの連続なので、よそ目にはついていけないように感じるかもしれない。だが4曲分のプロモーションビデオも含め、曲に込められたユーモアはすばらしいものになっている。バックストリート・ボーイズのパロディ「オール・ザ・スモール・シングス」は音楽的にも映像的にも最高傑作であるだけでなく、Blink 182のすぐれた風刺精神を表わしてもいる。うすら笑いを浮かべた子どもじみた外見に隠された、3人の感受性豊かな心……映像で恋人を称えようと思えば思うほど、ズボンを下ろしてしまいたくなる3人の気持ち……を表わしているのである。(Phil Udell,Amazon.com)