インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

クラスルーム (ミステリーYA!)

価格: ¥99
カテゴリ: 単行本
ブランド: 理論社
Amazon.co.jpで確認
大人も楽しめるジュブナイル ★★★★★
 先に理論社から刊行された『タイムカプセル』の姉妹編。『タイム』が栗橋北中学3年A組、新作は3年B組で起きた事件という設定となっている。
 
 好評を博した前作と比べて、『クラス』は質量ともによりパワーアップ。というのも前作は「袋閉じ」という趣向だったが、今回は正攻法のサスペンスで、ぐいぐいと迫ってくるからだ。10年前(中学時代)と現在とが、叙述で交錯しだす辺りからは無類の面白さで、思わず大人の私でも手に汗にぎってしまうほど。叙述トリックの第一人者は、『消えた時間』のバリンジャーとされるが、折原はその再来といって過言ではなかろう。
 
 また登場する女性2人が、かなり魅力的。女性造詣の点では、『奥能登殺人旅行』に次ぐ出来栄えに仕上がっている。これだけの傑作を子供だけが楽しむのは、勿体ない。大人の方もぜひ――。
ジュブナイル版ノスタルジック・ホラー ★★☆☆☆
理論社の「ミステリーYA!」というシリーズの一冊。
犯人(ホシ)は・・・豪華ミステリー作家たち。
被害者(ガイシャ)は・・・12才以上の読者。
凶器は・・・面白すぎる物語。
――というコンセプトの、いわばジュブナイルであるが、この第一作『タイムカプセル』につづいてラインナップされたのが、折原一の46作目となる、その姉妹編の本書である。

埼玉県北東部の小さな町にあり、いまは廃校となった栗橋北中学校。その3年B組の数人に10年ぶりのクラス会の通知が届く。幹事の名前に誰一人見覚えがなく、会場が夜の学校の校舎であることが不安をかきたてる。これは10年前の忌まわしい「肝だめし」に関係があるのか・・・。

本書はノスタルジック・ホラーの範疇に入る作品だろうと思われるが、いつもの折原一のような、凝りに凝った「文章そのもの」をトリックに使ってしまう叙述ミステリーの影は薄く、ジュブナイルだから仕方がないとはいうものの、おとなの読者が期待する“言葉の魔術師”の本領発揮とまではいかない作品だった。