さて、2003年にリリースされた本作は、ロフグレンにとって5作目の公式なライヴ・アルバム。1977年の『Night After Night』ほど騒がしい内容ではないが、相変わらずロフグレンがギタリストとして、シンガーとして、ソングライターとして、バンドリーダーとして、恐るべき才能を持っていることを明らかにしている。セット・リストには、彼のキャリア中あまり知られていない時期の曲も選ばれた。初期に組んでいたトリオ、グリンのナンバーが4曲、デビューLPから1曲、そしてクレイジー・ホースで共にギターを弾いた、亡くなって久しいダニー・ウィットンへの感動的なトリビュート「I Don't Want To Talk About It」(ウィットンの曲)がそうだ。ロフグレンはすばらしいギター・サウンドをつくり出している。それに、アメリカ国歌「The Star Spangled Banner」のカヴァーやロバータ・フラックの「First Time Ever I Saw Your Face」(スタジオ録音によるボーナス・トラック)を聴くと、彼がロック界でもまれな落ち着いた美声の持ち主であることが分かる。(Bill Holdship, Amazon.com)