ザ・グレイト・デストロイヤー
価格: ¥2,415
ミネソタ州ドゥルースに本拠地を置くトリオ、ロウは7枚目のアルバムでかなりその曲を加速したが、今度は普通のペースに戻っている。アルバムはデイヴ・フリッドマン(マーキュリー・レヴ、フレーミング・リップス、ウィート)によって巧みにプロデュースされており、アップビートの賛歌「California」、サウンドトラック風の送葬歌「Pissing」、ゴージャスな「Cue The Strings」など、いい曲がたくさん収録されている。ロウにはまだ悪いアルバムはないが、これは「過渡期的」なアルバムと言っていいだろう。過渡期と言うなら、ここにはこれらさまざまな曲をつなぎ合わせる接着剤のようなものもあるように思える。「Step」はパートリッジ・ファミリーが投げ捨てた曲かという気がするし、「Everybody's Song」で頑なに一定のペースを守ることでうまくいっている強弱の変化のくり返しをもし速めたとすると、ここまでいいものになるとは限らないだろう。決してテンポがすべてではない。しかし、かつて非常に印象的な曲を生み出した、以前の曲作りのメソッドという自らに課した制限は、まだそれと同等の価値のあるアプローチに置き換えられてはいない。ところどころではサウンドにロウらしさが感じられず、ほかのインディー・ポップ・バンドではないかと思われることすらある。決して悪いわけではないのだが、すばらしいということもない。彼らが次にどこに向かうかは非常に興味深い。(Mike McGonigal, Amazon.com)