バルトスはバーナード・サムナーとジョニー・マーのユニットであるエレクトロニックと2年間活動を共にしていた。そのため、本作では意識的にエレクトロニックとは違った音楽性が追求されている。みずからの過去に対してきわめて自覚的なバルトスは、彼一流のスタイルをアップデートする才覚にも恵まれており、モダン・ビート、ループ、メロディーをより緻密なハーモニクスを身につけたミュージシャンから取り入れた。その結果、素晴らしい楽曲の数々が生み出されたのである。