とはいえ、都会的なグルーヴやおとなしめのジャングル・ビートも顔をのぞかせる。トスカによるドラッギーな「Rolf Royce」(アルバム『Dehli9』より)はシンプルで鋭いベース・ラインが特徴で、まるでハッピー・マンデーズのアウトテイクのよう。一方、マイナス8の「Snowblind」はジャジーで美しい混乱状態を繰り広げる。
5作目までとは異なり、『Hotel Costes 6』は後のトラックほど質が上がっていく。締めくくりはダブとフランス語の女性ヴォーカルをかけ合わせた「Un Monde Sans Frime」。今度のホテルの宿泊者たちは、無骨だが気のいい招待客よろしく、ファッショナブルとは言えないかもしれないが、社交場の花であることに変わりはないのだ。(Matthew Cooke, Amazon.com)