衝撃の第一話
★★★★★
「物を食う」演技、モノクロ写真のインポーズ以外、ほとんどそれだけのオープニングは衝撃だった。わざとらしいポーズをとる訳でもないひたすらカメラの前でむさぼり食うショーケンの演技は凄い。とにかく旨そうだし、汚い面だがいかした服装そしてそのなりふり構わない野良犬のような様が傷天の全てを集約しているように思う。そんな生活をしてみたいとちょっと思わせる代々木ビル屋上での生活、ショーケンを喰ったとまで言われた水谷豊の演技、岸田今日子・岸田森の上品だが異様なコンビ、ホーン・ユキのお色気などTVでは観たことのない世界が広がっていた。M.ディートリッヒの歌?と思われる事務所内に流れるコントラルトの声も観る人に条件付けさせる小道具として面白かった。第一話は、オープニング曲から連続して遠景から撮った屋上で素っ裸のシーンも強烈。バイクスタントを使って強くもないのに相手をボコボコに叩きまくる明日も知らない野郎の生き様が格好よくて、子供ながらにはまってしまいました。
PYGでのショーケンの僚友・井上堯之バンドのブギウギ風のサウンド、クールに着こなしていたビギのファッション、今更言うまでもない監督・脚本陣の挑戦的・実験的な展開、そして罪は犯しても人間としての「正義派」を描き続けたと言えるこのシリーズは語り継ぐべき作品集である。