中条静夫が格好良すぎる
★★★★☆
山口百恵と三浦友和のゴールデンコンビが宇津井健に代わって初めて主演を努める『赤いシリーズ』。
の筈なのだが、
どう贔屓目に見ても主演は中条静夫である。
何故って中条静夫があまりにも格好良すぎるのだ。
劇中彼がすぐにトランクス1枚になる姿には笑いを禁じ得ないが、
彼の生き方には、彼が自分の人生の中から見いだした1本の筋が真っすぐに通っている。
その筋は見事なまでに真っすぐなのである。
故に百恵と友和の恋の行方よりも、
彼の生き様に感動を覚える人の方が多いのではないだろうか。
劇中彼は『乗っ取り屋』と言われ忌み嫌われるのだが、
彼がしている『会社の乗っ取り=株を買い占める』という行為は、
今見ればそれは純粋な経済活動である。
しかし当時その行為は悪行のように思われていたのであろう、彼の行為は劇中では理解されない。
(彼は今の言葉で言うのならば『企業価値を上げる』為に奔走しているに過ぎないのだ)。
ここに時代の流れと同時に大山豪介の哀しさが表れている。
それにしても、今回も共演者達は非常に充実している。
田村高廣を初め草笛光子、長門裕之、原知佐子、
更には特別出演の宇津井健等。
これだけの出演者達がしのぎを削ってドラマを作っていくのである、当然見応えは満点である。
更にOPのカッコ良さと力強さは山口百恵のたくましさへと繋がり、安心して物語を楽しめる。
故に『ドラマ・赤い衝撃』としては星5つである。
星5つであるのだが、
今回も特典映像やブックレット等の解説等は一切無しである。
まったく何を考えているのやら。
というわけで残念ながら今回も星4つ。
物語とは関係のないところで減点対象となってしまうところが
『赤いシリーズ DVD-BOX』共通の悲劇か。