『日本以外全部沈没』で知られる鬼才・河崎実監督の意欲作。

　なんと今作では、河崎実監督自身がバットを振るい、
出演するグラビアアイドル全１８名、ひとりひとりに１０００本ノックを浴びせるというスポ根ドキュメンタリー作品に仕上がっている。
　アイドルがケガをしようが青タン作ろうが血を吐こうが、監督は気にも留めずに淡々と１０００本ノックを続けていく。
　驚くことにこの作品、鍛えられていくのは出演者たるグラビアアイドル達だけではなく、我々視聴者も同様に忍耐力が付いていく仕様になっている。
　１回表を見終わった時点でＤＶＤを叩き割ろうか、フリスビー代わりに遊ぼうか、カラス避けにも使えるかしら、と視聴した誰もが考えるほどに、情の欠片もない凄惨なしごきは続いていく。
　しかし、いつしか彼女たちのひたむきな眼差しに心奪われ、停止ボタンをクリックしたい気持ちを抑え、胃を痛めながら結末まで魅入ってしまうのは監督の鬼才たる由縁なのだろう。

　巨乳軍と美乳軍、熱戦の末に辿り着いた真実とは。１０００本ノックに乗せた監督の真意とは。
　ぜひ、その目で確かめてほしい。

　なお、今作品を視聴する際は、暇で仕方ない時に鼻をほじりながら内容は右から左へと流し無心になって眺める、というのが正しい姿勢なのであろう。