法華経とは、本当は実に分かりやすい教えでした
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私は、何冊もの法華経の現代語訳や解説書を読み、確かに言葉の意味や、表面的にどんなことが書かれているのかは分かっても、一体どこが良いのかが全く分かりませんでした。
独断的なこじつけの解釈を述べる方もいたと思われ、正直、法華経に良い印象はありませんでした。
著者の庭野日敬さんは、そんな思いに同意しながらも、法華経とは本来、誰にでも理解できるものなのに、それがやたら難しいものになり、心に直接響いてこなくなった経緯を説明し、再び、法華経の教えを誰にでも分かるようにして、その素晴らしい功徳を全ての人にもたらしたく、これを書いたと説明しています。
その言葉通り、まず分かりやすさに驚きました。難しい言葉を分かりやすく説明することはもちろんですが、学術的な事細かな解説でクラクラさせる他書と異なり、読むリズムを崩さず、まず概観を掴ませ、そこから奥深い理解に進める様に配慮をされた説明は大変な創意工夫の賜物に違いありません。
私が本書のタイトルを知っていたのは、刑務所に入っていた人が、刑務所の中でこの本を繰り返し読み、会社の経営をされるまでになった話を、昔、何かの本で読んだことを憶えていたからですが、これは私にとって実に幸運なことでした。
私も、まだまだこれから理解を深めていくところですが、多くの方が、この本で共に法華経の教えを学ぶことで、一緒に世界を幸福にしていけるように思われてなりません。