作家の考えていること
★★★★☆
1998年にビレッジセンター出版局から出た単行本の文庫化。文庫化に際して東野圭吾氏のインタビューが本人の要請により削られている。
姉妹編に、東雅夫:インタビュー『ホラーを書く!』(小学館,2002年)がある。
綾辻行人、井上夢人、大沢在昌、恩田陸、笠井潔、京極夏彦、柴田よしき、法月綸太郎、馳星周、山口雅也という10人のミステリ作家に、千街晶之がインタビューしたもの。
作家たちのミステリとの出会い、デビュー以前、デビュー作、近況、ミステリ作家を目指す人たちへのアドバイスなどが載せられている。
けっこう共通する部分と、まったく異なる部分があるのが面白い。
それぞれの作家の人柄やスタンスがうかがえて良い本だ。
常識の中の非常識
★☆☆☆☆
本書には種々雑多な意見が満載されてはいますが、この本に限らず<小説の書き方>的書物というのは(少なくとも、本当に小説家になろうとする人間にとっては)何の役に立たない、というよりも役に立ってはいけないものだと思います。11人の作家がいれば11の<書き方>があるのは当たり前ですし、小説家志願者は12番目の<書き方>を自分で開発しなければならないというのも当たり前のことです。しかし、それ以前の問題として(これは洋の東西を問わず多くの賢人が述べてきたことですが)「方法の前に内容がなければお話にならない」のですから、小説家志願者はこの手の本を読んでいる暇があったら、<内容>を収集し厳選し分析し強化したほうが余程<実戦>に近づくことが出来ると思います。
珠玉のインタビュー集
★★★★☆
現代ミステリの最前線で活躍する作家達へのインタビュー集。各作家がどのような経緯を辿ってミステリ作家になったのか、がよくわかる良質のインタビュー集です。ミステリを書く気のない人でも充分楽しめます。