難しいテーマだと思う。ヘタに他人に話したら、家庭、夫婦が丸見えだからだ。なのに、ハナから「恐怖である」と率直で、素敵だ。「夫はかわいくない」、「夫育て」の目次にドキリとしながらも心は釘付け。老妻となったわたしを、代弁してくれているようで共感できる。だが、それだけではない。夫に対しても豊かな愛情が、おしつけがましくなく流れていて考えさせる。
「老い」という普遍的なテーマは、深刻になりすぎたり、赤裸々に書かれていて、些か、後味の悪さが残る場合がある。だが、このエッセイは人生の通る道をユーモアたっぷりに、程良い品性が保たれ、小気味良い。読み終えるまで、お腹をかかえて笑えもした。
ラジオ時代から著者を知っているが、全編に優しい愛情が本筋にあるため、最初から抱腹絶倒。老年期が明るくなる『知恵の書』でもあった。多芸多才のメイコちゃん!!最近になくめずらしい程あったか~い本。