このアルバムのラウドからソフト、そしてまたラウドへのダイナミクスとサイケデリックなギターの質感の使用は決して楽しめないものではないが、このアルバムからわかることは、未来のアートロックは明らかに過去のアートロックとはそれほど違わないということだ。このバンドはかつて80年代後半のソニック・ユースにそっくりの音を出しており、新しいことを試してみたくなったからと言って彼らを責めることはできないが、ムーディ・ブルースのスクリーモのようにする必要があったのだろうか。このオースティンを拠点とするバンドのメンバーが、壮大でゴスペルのコーラスがバックについた歌「All White」を、ELP風に華やかに演奏する様子が簡単に想像できてしまう。さらにこのバンドはこの曲の最後にブリティッシュ・プログレッシブのパイオニア、ソフト・マシーンの「We Did It Again」をサンプリングしている。歴史は繰り返されると知らない者だけでなく、知っている者でさえもやるのだと宣言するように。（Mike McGonigal, Amazon.com）