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日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ (講談社現代新書)

価格: ¥778
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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巻末の「いつか来た道」には同感です。 ★★★★☆
現代経済戦争においても、日本では、ソフトパワーに目を向けていない。
企業も政治も官僚も長期展望のビジョンもなく戦後60数年を、ハードパワーで押し進んできてしまった。
中国、韓国などが台頭してきたのは、ソフトパワーを駆使してきた結果である。
本書の巻末「いつか来た道」から最終の5ページには、私の言いたいことの全部が書かれていた。
この最終の5ページに、著者が現代日本の大きな門題点を衝いて書き終わっている。
本書は、単なる戦記ものではなく読み応えのある一冊であった。
明快・簡便な日中戦争の入門書! ★★★★☆
日中戦争に関しては良書がなかなかないために、基礎的知識が曖昧ななままいい加減な本に惑わされている人が多いのが嘆かわしかったが、ついにこういう本も出たかという感がする。

明治期以降の日中の因縁、軍事問題、経済問題、第三国関係を含む
多角的外交問題などなど、日中戦争を語る切り口は多いが、
既刊の新書類はそれらを詰め込みすぎて飽和状態のものが多かった。

本書は「殲滅戦」と「消耗戦」というキーワードに沿って日中戦争を概観し、
しかも軍事・政治両面に関する出来事をバランスよく取り上げている。
そしてわずか新書の半分で、日中戦争の経緯を整理しきっているのだ!
徹底的にキーワードに沿った解釈が提示されているので、
議論にいささか乱暴な点があることも否めないが、
記述内容のバランスの良さは、長年にわたって真摯に探求をしてきた
第一線の研究者ならでは。見事の一言に尽きる。

しかも章末ごとに年表も準備されており、初学者にも親切である。

後半の検閲月報が取り上げられている部分はいささか唐突な感じもするが、
戦争の局面の数々、それも日本の現地当局者が何を隠そうとしたかが読みとれて
非常に興味深い(ただし本書の前半との繋がりは非常に悪い)。

全体的に中国を褒め過ぎかとも思われるが(特にあとがき)、
日中戦争における日本の敗因を鋭く突いている点でも、
特に初学者には必読書ではないだろうか。

惜しむらくは、著者自身が一気に書き上げたと告白しているが、
時間不足のために起きたと思われる瑕疵が確かに散見される。
早期の改訂を切に願う。
わかりにくい日中戦争を理解するためのひとつの見方を提供 ★★★★☆
日中戦争は著作の数が少ない。その上、日中戦争はわかりにくい戦争でもある。よって、日中戦争については、包括的に詳細まで説明してある書よりも、本書のようにある一定の見方や仮説からたどって説明してある書の方が読みやすく理解しやすい面があり、その点では本書を評価したい。

また、検閲月報の引用は一読の価値がある。あまり他の書では見ないし資料的な価値は大きいと思われるので、ぜひ誰かこれを徹底的に研究して一冊にして出して欲しいと思う。

一方、事実の説明という点ではあまりに物足りない。視点も筆者の主張に沿ったものに単純化されすぎている。新書というサイズを考えると仕方のない面もある。本書で日中戦争に興味を持たれた方は、より詳しく書かれたものをあと数冊、読んでみることをおすすめしたい。
今後の東アジアとあなたを考えるために ★★★★☆
著者が言う、今、日中戦争を考える問題意識に同感だ。
世界における中国の存在が非常に大きくなっている。世界の工場としての「ハードパワー」だけでなく、外交や文化といった「ソフトパワー」でも、急激にその影響力を増している。 昨今のビルマの弾圧事件や、昨秋の北朝鮮によるミサイル連続発射から核実験の実施に至った際の中国の対応は、大国としての責任を自覚した「大人の国」の振る舞いとも言えるものだった。一方、その間の日本の政治家による「靖国参拝」や「核武装」発言は、まるで「子供の国」のものだったように思う。 今後、東アジアから軍事を中心に米国のプレゼンスが後退してゆく一方で、中国の存在は益々大きくなるだろう。そのような状況で、日本は、いや私達はどうあるべきかを考える時、70年前の近代日本最長の戦争であった日中戦争の分析が、有益であることを本書は教えてくれる。

分量から物足りない面はある。 しかし、70年前に8年にわたり戦われ、約20万人の日本軍の戦死者を出した日中戦争という事象を、蒋介石の「ソフトパワー重視⇒消耗戦略」VS 旧日本軍の「ハードパワー重視⇒殲滅戦略」という対立概念により、ラフカットに解明することに本書は成功していると思う。
また、終盤、中国で発見された旧軍憲兵隊の検閲資料を最新の研究成果として取り上げつつ、当時の民衆や軍人の生の声を掲載し、上記の概念を裏づけする等、日中戦争を多面的な視点で捉えている点も評価したい。

上記の対立概念を使って、現在の米国によるイラク戦争を考えたとき、それは、まさに旧軍と同じ「殲滅戦略」であり、対テロ戦争という「ソフトパワー」を前面に掲げながら、いつしか軍産資源複合体による「ハードパワー」利権の争奪ばかりが目につく、泥沼化した現代の「日中戦争」となっている。 それは、かつての日本帝国がそうであったように、アメリカの凋落を予感させる。。。 
と、そんな事も考えさせてくれる本です。
1つナゾが解けた ★★★☆☆
日中戦争で国民党政府を倒せなかったのを殲滅戦と消耗戦の違いによるものとすると
書いてあったのは、今まで日中戦争で日本がなぜ勝てなかったのだろうという疑問に
光明を与えてくれた。また通貨戦争の中国側の勝利なども興味深かった。

ただ、三光作戦や殲滅戦争、消耗戦争の具体的事例を書いていなかったのは、
新書だからかもしれないが残念だった。