今現在でも海外サイトでは、この夏の移籍を反映させたデータがアップされ続けています。次回作が10月末ごろに発売予定らしいですが、大抵はマッチエンジンに微妙な点があって、翌年発表されるパッチをあてて遊ぶようになるので実質的にはまだ先と考えていいでしょう。それにおそらく11はマイナーチェンジである可能性が高いです。今作は前作からかなり変更が加えられているので、09以前のユーザーでも新鮮に楽しめると思います。
試合としては、足速い選手がやたら裏取りやすい割に1対1で外しやすい部分などはありますが、個人的には気になるレベルではありません。それよりも選手チームともに設定が細かくなり（例えばCHで言えば、box to boxかball winningかplay makerかなど、チームで言えばcounterかattackingかdiffensiveかそれとも放り込みかなど、わかりやすく設定できるようになった）、チームとして一貫した戦い方が出来るようになったと思います。また、相手チームに合わせたアドバイスなども試合前に届くので参考にすることが出来ます。
前作よりしっかりグレードアップしていてこの価格はかなり驚きです。今からでも十分買う価値はあると思います。日本語版が発売されないのは残念ですが、日本語化パッチも出回ってますし高校英語が出来る人ならそのままでもプレイできる範囲内でしょう。

この作品の特徴といえば、膨大な、あまりにも膨大なデータ量でしょうか。
ひとつのチームをとってみても、一軍／二軍／ユース／監督コーチスカウトなど。
ひとつの試合をとってみても、シュート率、支配率、支配エリアなどありとあらゆる分析データ。
レフェリーまでもがデータとなっているところから、選手に関しては、異常なまでに細かいデータ量。

選手のデータなどは、利き足どころの情報量ではなく、好きなチームとか将来のビジョンとか、
経歴とか、タイトルとか、もし実際にサッカークラブの監督になれば得られるであろう情報の全てが盛り込まれています。
戦術についても、ただ、STとかMFとかだけでなく、ターゲットマンとかアンカーとかインサイドFWとか、
とにかく現代サッカーで考えうるポジションを具体的に設定できます。さらに、個人個人に対するプレイの仕方や、
声かけ（コンディションに影響？）などもあります。こんなものは氷山の一角ですが、決して全てをプレイする必要はなく、
コーチ陣にまかせることもできます。しかし、裏を返せば、とことん突き詰めることもできるという恐ろしいゲームです。

というように、膨大なデータや設定項目を駆使して、移籍から、戦術から、トレーニングから、メディア対応まで、
考えうるマネジャーの仕事を、これでもか！というぐらいに細かくこなせます。
ちなみに、試合映像はさほど特筆すべきものはありませんが、ひとつひとつの試合のために積み上げてきたものが、
どういう風に現れるのかというのを確認する意味で、楽しめます。

輸入版ですから基本的に日本語はついていませんが、有志、いやむしろ、勇士な方々が、膨大な量にも及ぶ英語を
日本語に翻訳してくれていて、そのデータをパッチとしてあてることにより、およそ90%前後の部分を日本語化できます。
これは、WINDOWSに限らず、個人的にテストした限り、macでも可能でした。これについてはググることをお勧めします。

なんというか、サッカーが好きで好きで死ぬほど好きだという方や、三度の飯よりサッカーという方、
クラブチームについて、自分なら絶対こうするというビジョンを持っていていつも歯がゆい思いをしている方など、
サッカーが好きすぎる人におすすめしたいです。
ただ、サッカー好きにとってこのゲームは禁断の果実かも知れません。人によっては生活に支障がでるほどの中毒性だと思います。
なお、自分でピッチ上でプレイするゲームではないので（細かい指示は出せますが）その点はご注意を。

・フットボールへの愛・知識
興味や知識は多少必要。あとは情熱でカバーです。

・パソコンスキル＆英語スキル
日本語化やフェイスパックのダウンロードなどに。ある程度、PCゲームをやる人ならあるとは思うが。
英語は、海外のＦＭサイトなどを巡回する際に。ニュアンスがわかればどうにかなる。現に私・・・。

・Google（笑）
検索は命。日本では小さな市場のこのゲームではこれがすべてといっても過言ではない。
先人たちが作ってきた良質なＦＭサイトがあるのでまずはそちらで雰囲気を知ることもアリです。

・時間
時間は有限だが何か。

・カスタマイズ精神
ＦＭはスキン（人間で言う服装）からフェイスパック（選手の顔写真）、戦術から何から何までカスタマイズできる。
ネット環境があってこそだが、それを楽しめるかどうか意外と大事。

英語版なので、まずはデモ版（日本語化も出来ます）を試すも良し、これを買ってさっそく日本語化をして楽しむのも良し、英語の勉強ついでに英語版を試すのも良し。
常勝チームを作るも良し。弱小クラブでチャンピオンズリーグを制覇するのも良し。
モウリーニョのように海外強豪クラブにオファーを受けて転々とするのも良し。
バルサやマンＵなど名門クラブの監督になるのも良し・・・

遊び方は無限大です。さあ楽しみましょう。なんて。

ゲームそのものは歴代でも1，2を争う面白さ、ただしバランスは無茶苦茶。
やたらと裏を取ったり取られたりするが、ほとんどゴールに結びつかない。GKと１対１の局面での決定率はFWにもよるが10〜15％程度しかなく、現実世界だったら全員クビレベルのお粗末プレーだらけ。

そして得点の半分以上は25メートル付近からのロングシュートで決まる、GKとの距離が開いても決定率は下がらないどころかむしろ若干上がる謎仕様、残りのうち３割はクロスからの得点、残り２割の大半はｾｯﾄﾌﾟﾚｰ（主にFK）とゴール前の混戦、完全独走の１対１で決まる。
現実のサッカーで見られる気の利いた裏への飛び出し＆パスで決まるゴールは一桁前半の％しかない。

もう1つの欠陥はあまりにもフィジカル重視な部分で、パサーもドリブラーもフィジカルが無いと成績が安定せず、FM2010の中ではシャビやイニエスタ、デコ、ﾛﾅｳｼﾞｰﾆｮなんかは大した選手じゃないという悲しい仕様。

あと今作はやたらとﾌﾟﾚｲﾔｰが簡単に勝てるようになっていて、選手の質が劣っていても理由もなく勝てる。
とは言っても、面白いのでオススメ