当時の日本にとってタラワは「絶対国防圏」の圏外、
アメリカ海軍にとっては太平洋方面における最初の主導作戦、
すでに日本側が玉砕覚悟であるに対し、アメリカ側は環礁地帯への侵攻という難事であり、最近では映画「プライベート・ライアン」により多くの人が再認識したノルマンディ上陸作戦の凄惨さと同等の犠牲を払う結果となった日米双方ともに忘れてはならない戦闘です、
結果は日本の玉砕に終ったわけであるが、大規模戦闘終了ちかくに起きた帝国海軍潜水艦イ175によるアメリカ海軍の護衛空母リスコムベイ撃沈の戦死者まで加えれば日米双方の損害は同等にちかく、アメリカは戦争の勝利を確信はするものの、犠牲の多さにより日本軍の強さを改めて知らしめた闘いでもある、
評者のように戦記を語り継ぐ決意を持ったものとしては本書は借りて読むだけではなく是非手元に置きたい類の書籍、出版関係の方、ぜひとも文庫・新書化を検討ねがいます、
余談:数年前のアメリカ映画に「ハイローカントリー」という1940年代~50年代を舞台にした西部劇がありました、カウボーイ達が出征し帰還するのですが、戦争の描写はまったく無いかわりに、「タラワは大変だったそうじゃないか」というセリフがあり、不思議にしみじみさせられたものでした、