チームワークを乱して先走りすると駄目ですし、しっかり任務に対して計画性を持たないと駄目です。画面や内容もとてもリアルで、広場でドアをあけようとすると「ガチャ、チャキ!」敵の罠で蜂の巣にされたり、かなり残酷です。
戦争の怖さを思い知らされます。動作はノートの方は、メーカーでサポートしてませんので、メーカーサイトなどで、グラフィックボードなどを確認してからの、購入が良いかと思います。
従来のゲームでは、主人公は超人的な身体能力と非現実的な武器を手に、特に「お子様」モードでは相当にマヌケな敵と闘うのが常でした。設定はフィクションでありSF/ファンタジー仕立てでした。「動く物は片っ端から撃ちまくる」という殺戮ゲームに対する、モラル的な抵抗感を誤魔化してくれるのが「フィクションだから」という設定であり、また現実的に3D描画等の機能上の制約からも、SFチックなキャラ達は好都合だったのだと思われます。しかしここに、動く敵の先を見越して仕留めた瞬間、狙いをつけた照準スコープの中で崩れ落ちる様に倒れる、人間の顔を持った敵キャラと撃ち合う時が来ました。
迷彩服に身を包み、スキを見せればアッと言う間にプレイヤーを血祭りに上げるナチの精鋭を相手に、第二次大戦の米軍兵士になりきって西部戦線を闘うゲームの設定および臨場感は、映画「プライベート・ライアン」そのものです。「まるであの映画みたいだ」と思っていたら、映画を製作した会社が本当にこのゲームにも関わっているらしいです。
架空のモンスターでは無く人間を相手の殺し合い。すぐ空になる弾薬を再装填するもどかしさ、その間にも容赦なく撃ってくる敵兵。重たい装備を身に付けて、従来のゲームの様には身軽な動作が出来ず、被弾した瞬間には撃ち返そうにも身体が動かない、そのリアル、その恐怖。
また、何名かの心強い戦友キャラ達に頼り切って身勝手な、あるいは軽率な行動を取ると、気付けば生き残りは自分独りで任務の達成も出来ない…等々、色々な面で真にリアルなゲーム。ある意味で待ち望まれた一人称シューティングの姿でしょうか。
アイテムで生命値を回復でき、「お子様」モードではさすがに簡単には死なない所がゲームならではですが、それも「ハード」になると敵のナチが強い強い…アッと言う間に狙いを付けられて一発で昇天。
また「戦争ごっこ」を通り越してリアルすぎるこのゲームは、何か後味に引っ掛かるものが無いと言えばウソにもなります。ある意味で本当に恐ろしい問題作だと思います。
でも従来のゲームにリアリティの不足を感じていた人、映画「~ライアン」や「戦争のはらわた」を観て自分の姿を戦場に想い描いてみた事のある人、国防軍とナチが識別できる人には絶対にお勧めです。余りにもリアルな殺戮をゲームとする事に躊躇いのある人、ドイツ兵を撃つのに抵抗のある人には勧められません。先へ進む上で戦術面や敵の心理も重要なこのゲーム、従来とは違う意味でパズルの要素もあり、何も考えずハデに撃ちまくりたい人には却ってウザく思われるかも。
その過剰なまでのリアルさから、敢えて星一つ減点して四つ星にしたいと思います。