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追跡者―幽剣抄

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川書店
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印象深い作品集 ★★★★☆
今回は前回よりも背筋の寒くなる話が印象に残った。一番怖かったのはラスト「追いかける」に登場する幽鬼たちである。ここに登場する三人の幽鬼たちのエピソードが怖い。何回読み返しても怖い。もし自分がこういう場面に遭遇したら、と思うだけで下品な話だが金玉が縮みあがってしまう。もし、読まれる方がおられたら確かめていただきたい。丁度289ページから290ページにまたぐ場面である。
しかし、この「追いかける」にしても第一話の「童子物語」にしても、ただの怪異譚にはおさまりきらない話の広がりをみせるから驚いてしまう。このへんの呼吸は菊池秀行の真骨頂というべきものだろう。おそらく他の作家が書いていたら、こういう風には展開しないはずだ。
第二話「介護鬼」も深い意味で恐ろしい話だ。怪異譚としても恐ろしいが、人間本来の業としても痛恨の一撃をあたえられる話である。ラスト近くの介護されている妻の告白が心底恐ろしい。第三話「飲み屋の客」も人間の怖さを思い知る話だった。幼い頃に武士の手討ちによって両親を亡くした少女が飲み屋を営む伯父夫婦に引き取られ店の手伝いをしながら大きくなり、今では誰もが認める看板娘に成長していた。そこに現われるよそ者の侍。娘はその侍に恋心を寄せる。しかし、その侍にはどこか常人離れした雰囲気がつきまとっていた・・・。これは娘の告白に信じられないおもいをする話だった。う〜ん、そうくるかぁと唸ってしまった。だからこそ、この話はあっけらかんとせつなく心に残るのだ。
かように本書もまた軽く読めてしまうにもかかわらず、読み応えがあり尚且つ印象深い作品集となっている。
よかったですよ! ★★★★☆
 幽剣抄シリーズ、第2弾です。
この人の本は、「魔界都市シリーズ」とか「D」も好きですが、
時代物もいいですね。
ちゃんとミステリーで、短編なので自分のペースで読めるのがいいです。
江戸時代は、こんな時代だったのだろうか? ★★★★☆
人の形をした「あの世の存在」とこの世界の存在が、人生のいろいろなシチュエーションで交差する物語。雑誌に掲載された短編と、同じ趣旨の3ページ程度の書き下ろしの話からなります。怪談というと、非日常的なものが普通ですが、この話では、あの世の存在とこの世界の存在が、当たり前のように恋をして、同情して、人生を送っていく。静かな文体が、物語にぴったりで、引き込まれました。我々の毎日にも、見えないことが多いのではないか、と考えさせられました。