孤児の赤ちゃんを養子にしようとする6人の女性たちは、それぞれ事情を抱えていた。早く養子縁組をして帰りたいけれど、手続きは遅々として進まない。滞在が長引くにつれて、6人の女性たちはそれぞれのプライベートな一面を見せはじめ、互いに悩みを打ち明けるようになる…。
   子供を得てシングルマザーとして生きようとする人、流産経験から養子を持つことを決断した女性、子供を持つことで人生をリセットして、新たなスタートを切りたいと願う女性など、事情は人それぞれ。新しい生命が自分にもたらす影響に期待するのは、やはり女性だからなのだろうかなど、彼女たちの告白に耳を傾けつつ、人生、母親、家族などについて考えさせられてしまう。これはやはり演じる女優たち（マーシャ・ゲイ・ハーデン、ダリル・ハンナ、マギー・ギレンホール、リリ・テイラー）らの芝居のうまさもあるだろう。人生のターニングポイントを「母親になること」と決めた女性たちのドラマを描いたのはジョン・セイルズ監督。（斎藤　香）