サンプルプログラム豊富。リファレンス便利。ただし、訳が...
★★★★☆
pthread本です。紙面の30〜40%程度にサンプルプログラムが掲載されており、API毎の基本的な使い方が分かります。巻末には、POSIXスレッドのミニリファレンスがあり便利です。想定される読者ですが、スレッドやタスクの基本的な概念を一度かじったことがある人向けですね。例えば、Windows系の CWinThread や、組み込みだと、iTron などのタスク概念をやったことのある人などです。というのは、訳が直訳すぎるのでこの本だけで概念を理解しようとすると、少し分かりにくい気がします。プログラマなら、API リファレンスとサンプルコードで理解する方が多いので、そういう使い方が良いかと思います。あと、Windows でスレッドをやっている方で、UNIX に移植を考えている方、Unix <-> iTron の移植を考えている方、OSになるべく依存しないマルチプラットフォームを考えていらっしゃる方には、同期や並行性の考え方などのプログラミングモデルの比較に役に立つのではないかと思います。
絶対にこの翻訳版でなく原書を買うべき。
★☆☆☆☆
この翻訳版の購入はお金のムダ遣いです。「説明文」が説明になっていませんので何度(それこそ声を出して)読んでも理解できない文が1ページあたり10から15は見うけられます。どう好意的に捉えても、質の低い翻訳ソフトで機械的に翻訳したものをそのまま出版したとしか思えない程の悪文・悪訳です。一例を挙げれば、「条件変数は1つの述語と関連づけられるべき・・・」「いくつかの述語間で1つの条件変数を共有しようとしたり・・・」「あるいは1つの述語に対していくつかの条件変数を・・・」でいったいどれだけの読者が何を言わんとしているかを理解できるでしょうか。
一方、原書(英文)はしっかり!した内容の良書です。英文・英語に難がなければ、絶対に原書を購入すべきです。