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解放の神学 (Century Books―人と思想)

価格: ¥1,389
カテゴリ: 単行本
ブランド: 清水書院
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入門書 ★★★★☆
 黒人神学者であるジェイムズ・H・コーンについての本。
 なのだが日本に於ける神学や、韓国に於ける神学も二章の、「自分史の回顧」で扱っており3カ国
の神学がわかる便利な本であるといえよう。
 少々思い込みが強すぎる感もありますが、入門書としてなら十分使えるでしょう。
 値段もお手ごろでおすすめです。
うーん、またしても・・・ ★★★☆☆
 福音派VSリベラル派の書物は、お互いの批判が的外れになっていることがしばしばだが、本書も、福音派をはじめとする、いわゆる正統派のキリスト教神学批判の箇所では、「本当に彼らのことを理解した上で批判しているのだろうか」と思ってしまう。
 リベラル派のエキュメニカルな立場で不可解に思われるのは、なぜ、そこまでキリストにこだわるのか、という点である。正統・異端の二元論を乗り越えて、神の啓示にこだわらずに、キリスト教を開かれたものにしていくというのは、一見寛容に見えるが、実際のところ、実に不寛容なのではないだろうか。別段望みもしないのに、キリスト教を開かれてしまった人、例えば、自分は仏教だけで十分で、キリスト様は必要ありませんという人に、「大丈夫、あなたはキリスト教の信仰告白をしておられませんが、キリストによって救われています!」と言うのは、本当に寛容な態度のだろうか・・・。
 仮に、エキュメニカル?な仏教みたいなものがあり、キリスト教だけで十分で、仏様は必要ないと思っている人に、「大丈夫、あなたは仏教徒ではありませんが、仏の慈悲により、涅槃に入れます!」と言った場合、その仏教は寛容なものなのか、それとも、あくまでも仏を何らかの形でからめないとだめなんだよという押し付けにすぎないのか、どちらなのだろう。
 などと、言いたいことを書いてしまったが、筆者が、日本のキリスト教系大学で教鞭を取ってきたことなどから、現在の日本のキリスト教系大学の信仰上のスタンスを垣間見ることもできるし、また、解放の神学とは何かについて学ぶ入り口としては、わかりやすい本だと思う。
 解放の神学も含めてのリベラル派神学に対する福音派の立場からの批判は、宇田進著『福音主義キリスト教とは何か』(いのちのことば社)にコンパクトにまとめられているので、両者のバランスを取りながら読むとよいのではと思う。